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これまで書いた製作ノート

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過去公演の製作過程を書いた“製作ノート”を一つにまとめました。
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#演劇

1月『隣人』名古屋公演

新年だし何か新しいことを始めてみたくて、今年は公演が終わったらnoteを書いてみることにした。面白さとかは保証出来ません。道端に落ちていたカリントウを口に入れるようなもんだと思って読んでください。 久しぶりの名古屋公演 「演劇Showcase!という企画で40分程度の作品を上演していただけませんか?」名古屋市にある昭和文化小劇場に声をかけて頂いたのは22年の夏。名古屋ではバトル形式の演劇イベントが多いが、この企画では競うことなく、多様な三つの作品を陳列すると言うのが企画趣

2月 演劇解体新書vol.1-vol.4

フェニーチェ演劇解体新書 はさまざまな角度から、一つ一つ丁寧に演劇を腑分けしていく演劇ワークショップシリーズです。この記事では、企画がどうやって始まったのか、どんな内容になったのかを書いてきます。 「やったことがないことをやる」 2021年の秋、劇場の担当者さんと企画を立ち上げる為、京都駅の喫茶店で打ち合わせをしていた。フェニーチェ堺は2019年秋にオープンしたばかりの劇場で、僕は2020年から毎年WS(ワークショップ)をしている。 「今年はこれまでの枠にとらわれず、や

音楽劇『鬱憤』 再演版 製作ノート

フェニーチェ堺で上演された音楽劇『鬱憤』を振り返るnoteです。パンフレットを作れなかったので、代わりにここで製作過程を振り返ってみます。細かい内容にも言及するので、ご来場いただいた方や戯曲をお持ちの方向けの内容になるかもしれません。 再演するってさ! 京都で『鬱憤』の初演が終わった頃、大阪の劇場・フェニーチェ堺から「幻灯劇場の作品を上演しませんか」と声をかけて頂いた。これまでフェニーチェ堺では『演劇解体新書シリーズ』という実験的なWSシリーズを継続して実施してきた。今年

“東京演劇道場”が開催する“Dojo WIP”で上演する“再生”について

東京演劇道場が開催する【Dojo WIP】で上演する『再生』に演出として参加することになりました。なったんですが、この報告だけでは演劇に詳しい人にしかよくわからないんじゃないかと思い、僕の個人的な視点から「どんなイベントなのか」「誰がなにをするのか」「何を見れるのか」このnoteで整理してみたいと思います。 “東京演劇道場”ってなにさ 僕は“幻灯劇場”という劇団にも所属していますが、“東京演劇道場”という集団にも所属しています。“東京演劇道場”を簡単に説明すると、東京芸術

『Play is Pray』製作ノート

豊中市立文化芸術センターで上演された『Play is Pray』を振り返るnoteです。パンフレットがわりに、ここで製作過程を振り返ってみる。今回は作品の中身のことより、外側のお話が多めかも。 オーケストラとつくる演劇 僕は2021年から日本センチュリー交響楽団と豊中市立文化芸術センターが年四回開催している“物語と連動する演奏会”に小説を書き下ろしてきた。 2022年『忘れられた怒り』から2025年に上演される『アキレスと亀』まで、三年間オーケストラの演奏会と並走し十二作