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これまで書いた製作ノート

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過去公演の製作過程を書いた“製作ノート”を一つにまとめました。
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3月 幻灯劇場第十回公演『DADA』

先日、伊丹アイホールで上演された幻灯劇場第十回公演『DADA』の創作過程について、きっかけとなった2013年の冬から書いてみます。ちょっと長くなるかもしれません。長いことこの作品に向き合ってきたもんですから。 ※上演風景と歌詞はこちら 京都駅のホームレスとの出会い 2013年。僕は兵庫県立宝塚北高校演劇科に通うため、滋賀県の実家から毎日片道2時間50分かけて通学していました。演劇が好きで、演劇科の授業だけでは物足りず、演劇部にも入って作品を作っていました。演劇の授業と演

3月THE GREATEST SHOW-NEN Aぇ!group×幻灯劇場 『鬱憤』

朝日放送で放送されたTV番組「THE GREATEST SHOW-NEN」の Aぇ!group×幻灯劇場『鬱憤』回について振り返るnoteです。ひとまず『鬱憤』という作品の成り立ちまで遡ります。 十六人と『鬱憤』を作る。 音楽劇『鬱憤』は16人の俳優とディスカッションを重ねながら作っていきました。台本が何も無い状態で稽古初日を迎え「コロナ禍で感じた鬱憤」をテーマに、お互いの話を聞いていく。コロナ禍によって関係が良くない家族と離れることが出来ない/バイトしたくてもシフトに安

音楽劇『鬱憤』 再演版 製作ノート

フェニーチェ堺で上演された音楽劇『鬱憤』を振り返るnoteです。パンフレットを作れなかったので、代わりにここで製作過程を振り返ってみます。細かい内容にも言及するので、ご来場いただいた方や戯曲をお持ちの方向けの内容になるかもしれません。 再演するってさ! 京都で『鬱憤』の初演が終わった頃、大阪の劇場・フェニーチェ堺から「幻灯劇場の作品を上演しませんか」と声をかけて頂いた。これまでフェニーチェ堺では『演劇解体新書シリーズ』という実験的なWSシリーズを継続して実施してきた。今年

“東京演劇道場”が開催する“Dojo WIP”で上演する“再生”について

東京演劇道場が開催する【Dojo WIP】で上演する『再生』に演出として参加することになりました。なったんですが、この報告だけでは演劇に詳しい人にしかよくわからないんじゃないかと思い、僕の個人的な視点から「どんなイベントなのか」「誰がなにをするのか」「何を見れるのか」このnoteで整理してみたいと思います。 “東京演劇道場”ってなにさ 僕は“幻灯劇場”という劇団にも所属していますが、“東京演劇道場”という集団にも所属しています。“東京演劇道場”を簡単に説明すると、東京芸術