「冬の時代」の戦い方、Web3を信じる起業家へ
みなさん、こんにちは、渡辺創太です。マクロ経済やテラUSD(UST)崩壊の影響を受け、今月暗号資産市場が暴落しました。今月はa16zやセコイアのレポートを読んだり会ってお話ししたりしていましたが、この厳しい状況は、短期的なものではないと予想でき、ドットコムバブルを引き合いに出しているtweetなどが多く、長期戦になりそうだなと思いました。今回の市場のクラッシュで大きく流れが変わり、奇しくも「web3」というキーワードが世界的なトレンドの中、それを支えるブロックチェーン/暗号資産領域の「冬の時代」が再びはじまるかもしれません。
僕は2016年にこの領域に参入しましたが、これまでに3-4回ほど今回のような市場急落の局面に居合わせています。ICOバブル崩壊、コロナショック、中国の暗号資産規制強化など、そのトリガーは色々とありました。そして僕はベアマーケット時に、この領域から離れていく人たちを多く見てきました。その一方、辛い状況の中でもしっかりとプロダクトを開発を続けて人たちが、後の勝者になったことも知っています。ここ数年で冬を乗り越えて勝ってきた人たちと、幸せなことに僕は身近に接することができました。
ブロックチェーンの可能性を信じこの領域で戦う、もしくはこれから参入しようとしている人たちに、このタイミングだからこそ伝えることがあるのではないかと思いNoteを書き始めました。
また現在の世界経済の厳しく不安定な状況は、決してこの領域に限った話ではありません。この状況で何かに挑戦しようとしている人たちの、わずかな一助にでもなれば嬉しいですし、志を同じくする起業家をAstarやNext Web Capitalを通して支援させていただきたいなと思います!
どんな人が「冬の時代」に残ってきたか
どのような人が冬を乗り越えてこられたのか、過去を振り返って考えてみました。冬を乗り越えてきたのは、自分たちがどんな世界を作りたいのかという「長期のビジョン」をしっかりの持っている人たちでした。そして彼らは、やめないことの重要性を理解していたと感じています。
先日a16zが出したクリプトレポートにこのような一文がありましたので、ここで引用します。
ここ数年の間で最高の機会を逃した人は、僕の周りにも大勢いたと思います。僕はこういった局面に、よくクリプトのチャートを広いレンジでよく見るようにしています。(Polygonとかみてみてください)現在有望と言われているプロジェクトのトークン価格は、上場してから1〜3年は、0に近い位置で横一線で推移し、その後ブレイクし高くチャートを押し上げているのが分かります。
これらのチャートは、やめない事が成功に繋がるのいう確かな証拠です。
冬がもたらすチャンス
しかしどの領域にも、一定の人たちは大きな収益を求めて参入してくるため、何を言っても離れていくものです。シンプルにそれは、自分たちが戦うためのライバルとノイズが減ることを意味します。
一番難しいのは勝ち続けること。二番目に難しいのは勝つまでやめないこと。そして一番簡単なのは、一瞬だけ勝って勝った気になってやめるだと思います。
こういう時は、やめないだけで競争優位になる、むしろそれはチャンスとも捉えられます。
そしてこれまでの数回の冬のタイミングでも、コアな人たちは残り続けています。残ることは、コアな人たちとの人間関係が作りやすくなるチャンスでもあります。
どうしても人間は周りに影響されるものです。仲間がどんどん辞めていく状況で、信念を強く持ち続けるのは大変なこと。だからこそコアなコミュニティや、その近くにいられる事は冬を耐えるのに大切です。
今、起業家として取るべきアクション
そして起業家として今とるべき取るべきアクションは「フォーカス」だと考えています。このような時期にはプロジェクト周辺にアンコントローラブルな状況が生まれやすく、目先の対応に追われ、長期的なミッション実現のためのアクションが阻害されやすくなります。
しかし、こんな時期だからこそビジョン達成のための重要なアクションに「フォーカス」すべきです。限られたリソースの中で削ぎ落とし、一番重要なポイントにフルリソースを投下する。
周りに流されずビジョンを強く描き、様々な場面でフォーカスを絞り、アクセルの踏みどころを間違えないこと。それは我々が今やらないといけないことだと思います。
アスターのビジョンは、マルチチェーン時代の主要スマートコントラクト・プラットフォームになること。そしてアスターを会社というエンティティがなくても、動き続けるDAO(自律分散型組織)にすることです。
特に今後数ヶ月は、アスターの最も重要な技術的アップデートであるXCMとWASMにフォーカスします。XCMはアスターがポルカドット自身や他のパラチェーンと通信するためのポルカドットの中核機能の開発。そしてWASMという次世代のスマートコントラクトのVMの開発です。ともにアスターにとってもビジョン実現のために必要で、レバレッジも効く開発です。
僕たちは、幸い資金調達を事前に終わらせていたこともあり、これから約6-10年間開発を続けるための資金をUSDCとUSDで十分持っています。成功するまで、やめるつもりはありません。
これから冬が続いたとしても、次の数年以内に大きな波が来る。それが僕らの考える本格的なマルチチェーン時代の幕開けになる可能性は十分にあります。次の波にも絶対に乗るという強い決意を持って、アスターはチームで今やるべきことに「フォーカス」しています。
アジアのナンバーワンだったプロトコルが、今回こういうことになってしまって残念ではありますが、その席が空いたと思って頑張っていきたいと考えています。それを乗り越えていくチャレンジに、正直ワクワクしています。
まだアスターはメインネットにローンチして4ヶ月です。僕は5年、10年というスパンで先を見ています。5年後にチャートを振り返ると、この数ヶ月が下の方にある直線に見えるぐらい、アスターを大きくていきたいと思っています。
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