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東洋思想その1

最近、中国の諸子百家を勉強している。スターテイルのカルチャーをどう作るかや戦略をどう立てるかを考える上で、組織(または国)の在り方を歴史から勉強するのが一番近道だなと思った。スターテイルはグローバルな組織なので、東洋思想だけではなく、西洋思想もちゃんと勉強するべきだけどただでさえ東洋思想だけでも数千年遡って勉強しないといけないので、今年末とかどこかでがっつりと時間をとって進めたいと思う。

全体像でいうと中国の春秋戦国時代(紀元前770年から紀元前221)に諸子百家が生まれ、儒家(孔子、孟子、荀子)とか道家(老子)、法家(韓非子)などが活躍した。孔子は論語で有名だし、孟子は性善説(仁、義、礼、智、信という5つの5常)を大事にした。一方で、性悪説の荀子の弟子である韓非子が「法(法律の制定とその厳格な執行)」「術(統治者が権力を行使する術や刑罰体系の利用)」「勢(権勢と統治者が権威)」などのエッセンスを確立して、そこから着想を得た秦の始皇帝が中華を統一した。バチバチに法律で中央集権的に統治した秦も結局弱体化し、その反動で前漢、後漢の時代で儒教的な王道の統治が見直されてきた流れも非常に面白い。インサイトとしては時代背景(企業で置き換えればその時の社会情勢や業界のモーメンタム)に応じてベストな統治方法(会社としての尺度に何を正とするのか)は変わってくるし、仁、義、礼、智、信に見えるような五常でカルチャーを作るのが王道であり平時にやることだと思う。その一方で戦時には覇道である韓非子の「法」「術」「勢」でカルチャーを作るのが良いのではないかと思う。中国古典を読んでいるとよく「水のように」みたいな表現が多いが、まさに水のように状況状況に応じて変化できる企業が長期的に繁栄をすることができるのだと思う。

その他にも、武経七書は、中国の古代から中世にかけて編纂された兵法や軍事書で、その中でも「孫子」がめちゃくちゃ有名で戦略においては西洋の教科書であるクラウゼヴィッツの戦争論とかとも今後勉強していきたい。ちなみに孫子は複数国での戦争関係で戦わずして勝つという思想であるのに対して、戦争論では1対1の戦争を想定しているのが面白い。ヨーロッパはナポレオン以降戦争論が教科書のようになったがそれを参考にしてヨーロッパ諸国が戦った第二次世界大戦ではヨーロッパ諸国が戦場となりボロボロになった一方で、戦わずして(戦場とならずに)漁夫の利をとったアメリカと比較的ダメージが少なかったソ連が孫子的にその後覇権を握って行ったのも歴史的に面白いムーブだと思う。ここらへんは会社の戦略論に大きく応用できそうだと思う。

現在は全体感のリサーチと韓非子、孫子を読み終わってこれからナポレオンと戦争論、孟子を読もうとしているところだが、今後応用していきたいなと思うのは1つは大局観。2つ目はカルチャー。大局観という点ではやはり数千年残る思想というのはエッセンスであり時代が変わっても変わらない人間や企業としてあるべき姿というのを自分なりに勉強していきたい。カルチャーという点においてはグローバル化が進む中で東洋思想と西洋思想を掛け合わせたカルチャーの作成が僕の重要な仕事の1つなのでグローバルにスケールする組織を構築するという点で様々な思想を応用したルール設計を行なっていきたいと思う。

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