見出し画像

バンドル戦略

複数のプロダクトを持った時に気をつけるべきなのは複数プロダクト間の連携だ。バンドル戦略は一般的に「製品を他の製品と抱き合わせにして定額で提供する方法」と定義することができる。1市場で大きなネットワーク効果を獲得しているのであれば、そのネットワークを利用して隣の市場に進出するなどの戦略を練ることができる。過去の事例で言えば、マイクロソフトのPCにデフォルトでInternet Explorer (IE)を搭載することで、IEのシェアを伸ばした事例がある。これは当時有料で提供されていたネットスケープが大きな市場シェアを持つ中で、1桁しか無かったIEのシェアを拡大するためにマイクロソフトが取った戦略だ。

結果、IEのシェアは一時期、90%を超えていたが、2008年以降急激にシェアを失い2012年にはGoogleのChromeに追い越されている。

https://en.wikipedia.org/wiki/Browser_wars

IEがChromeに破れたのは重要なインサイトがあると思う。例えば、OpenAIはChatGPTをApple製品に組み込むことでディストリビューションチャネルを獲得しようとしているようにディストリビューションは超重要だ。

Bloomberg

ただ、それだけでは勝てない。Chromeが強かったのはパフォーマンスと速度であったとよく聞く。ユーザーに支持される良いプロダクトを作るというのはバンドル戦略を成功させるための絶対条件であると思う。

ディストリビューションの意味でもIEは、基本的にWindowsに限定していたのはミスだと思う。ケーススタディーするのであれば、Chromeがシェアを拡大する前に、Windows、Mac、Linux、iOS、AndroidなどさまざまなOSに対応をするべきだったかもしれない。また、新しい技術がでてきてプラットフォームのルールが変わるときに対応が遅れたのもインサイトである。モバイル市場が台頭した時にChromeはAndroidのデフォルトブラウザとしてプレインストールされており、スマートフォンの普及に伴って市場シェアを拡大した一方で、IEはモバイルに対応するのが遅れている。

つまり、ディストリビューションは必要条件ではあるが十分条件ではない。良いプロダクトがバンドル戦略でディストリビューションチャネルを獲得し、新規のネットワークを築けるのがバンドル戦略の重要な部分なのではないかと思う。良いプロダクトというのが絶対条件である。

スターテイルでは遅かれ早かれ複数プロダクトを同時に持ち作る体制になる。ブロックチェーンレイヤーを作りながらノード、APIサービスを提供し、ウォレット、取引所、アプリまで開発する体制にする。その時にバンドル戦略は超重要だ。過去の事例をしっかり学びながら戦略の実行をしていきたい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?