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Web3の「日本人的」な戦い方 情報収集とデータ分析

こんにちは、渡辺創太です。

ブロックチェーンや暗号資産などWeb3領域の情報は、世界中でさまざまなジャンルで溢れかえっており、アップデートのスピードも物凄く速いです。それらを適切にキャッチアップしていくことは簡単ではないですが、それを実行し分析することはこの領域で働くため、起業するための最も重要なスキルの一つだと僕は考えています。また、主語を大きくするのは良くないですが、いわゆる「日本人的」な強みや考え方の1つに改善力があると思います。これはロングタームで複利的に効いてくるものでプロジェクトの重要なKPIを追い続けることパラメーターを日々日々修正していくことで他のプロジェクトに対する競争優位が生まれます。

今回の記事では、僕が日々行っている情報収集やデータ分析について紹介します。少しでも皆さんの参考になれば嬉しいです。あくまでL1サイドからみた見解なので、アプリケーションを作る際は違う手法が必要になってくるかもしれません。しかし、一貫して重要なのは、「今、あなたが追っている重要指標はなんですか?」と聞かれた時に秒で答えられるくらい考え込んだ仮説があることだと思います。

改善にはデータが重要

米国のイノベーターは「0→1」でビジネスを立ち上げるのが上手いと言われています。一方日本人は「0→1」で何かを作るよりは、その「1」を改善してより良いものを作り上げるスキルに長けていると感じますし、実際に巷でよくそのように言われます。それは歴史的にみても、国民性という観点からもです。

先日読んだ書籍『戦略は歴史から学べ』鈴木博毅(著)の中にも、こう書かれていました。

「日本人はベンチマーキング、つまり各産業での最高の企業を徹底的に分析することに関して抜きん出ている。そして彼らは、継続的にパフォーマンスを向上しつづけ、やがて日本の製品とサービスを世界最高のものにまで仕上げるにいたったのである」

そして私たち日本人の「強み」である改善において、重要になってくるのがまさに情報(データ)だと思います。今までの既存ビジネスと違うのはWeb3においてはデータの取得可能範囲とリアルタイム性が強いです。これはパブリックブロックチェーンが公開されておりオンチェーンデータを見ることができるからです。Web2の企業でデータが会社のサーバーに蓄積されている場合は競合のサーバーにアクセスしてデータを見るなんてことはできません。

これは僕が今世界で戦いながら意識している部分でもあります。当然アスターネットワークにも世界中に競合がたくさんいますが、その中で日々改善していくスピードやその深さでは負けないように努力しています。

最近「Web3において日本人に勝機はありますか?」とメディアの取材で質問をされることが多いのですが、改善を得意とする日本人にとって、まさにデータを活用し自分たちのプロジェクトを磨き上げていくことにWeb3でも勝ち筋があると思ってます。

オンチェーンデータを収集・分析し、戦略を立てる

このように公開されているデータの中で、レイヤー1のブロックチェーンの場合は、「TVL(Total value locked)/プロトコルに預けられた暗号資産の価値」と「アクティブアドレス(Active addresses)」が重要な指標となるという仮説のもの毎日データを追っています。

特にブルマーケットの時は「TVL」、現在のようなベアマーケットの際は「アクティブアドレス」が戦略を練る上で重要な指標になります。

僕たちアスターネットワークの場合は、「TVL」に関しては「DeFi Llama(https://defillama.com/)」で、アスターネットワーク全体や個々のdAPPs、また他のチェーンなどのデータを確認し蓄積しています。

また「アクティブアドレス」に関しては、APIを作成し、デイリーで集計し蓄積しています。

それらのデータを日々チェックして、データの動きに対する要因をさらに分析します。その要因が再現性のあるものなのか、ないものかを仕分けしていきます。そして再現性のあるものは、次のアクションでも再現できるように戦略を立てていきます。

またこれらのデータは、前述したとおり他のライバルやベンチマークしているプロジェクトのものも取得し分析することができます。それらもアスターネットワークの戦略を練るための重要な情報となっています。

僕は「DefiLlama」に加え、「DappRader( https://dappradar.com)」、「Dune Analytics(https://dune.com/browse/dashboards)」、「Messari(https://messari.io)」、ハッシュハブなどとも毎日睨めっこして、戦略作りに活かしています。

ニュースやトレンドも重要

またオンチェーンデータに加え、日々の業界のニュースやトレンドのキャッチアップも重要だと考えています。

Web3領域で情報を得やすいツールは、まずはツイッターだと思っています。さまざまなプロジェクトのファウンダーやエンジニアが、最新の情報をツイートしています。

僕の場合はツイッターは3つのアカウントを使い分けて情報収集や発信をしています。英語、日本語、そしてこれは公開していないですが情報収集に特化した非公開アカウントです。その非公開のアカウントに関しては、特に情報を追いたいキーアカウントを80個ほどフォローして、日々動きをチェックしています。

少し話は脱線しますが、ツイッターは情報収集だけではなく、言わずもがな情報発信やコミュニケーションにも使えるツールです。よく日本人の方で1つのアカウントで日本語と英語とを混在させて発信している人がいますが、言語ごとにアカウントは分けて作った方がいいと思っています。やはりタイムラインに理解できない言語が流れてくると、翻訳機能もあるとはいえ、フォローしてくれている人にしてはノイズのように感じてしまいます。

またツイッターに加えて、ニュースメディアもチェックしています。大きな世の中の流れを理解していくのは重要ですし、どんなものがトレンドになるのかを知るという視点も大切です。

グローバルなクリプトのニュースは「CoinDesk(https://www.coindesk.com/)」や「The Block(https://www.theblock.co/)、日本のニュースやプロジェクト情報などは「あたらしい経済(https://www.neweconomy.jp/)」「CoinPost」などで日々チェックしています。

改善で世界に勝つ

アスターネットワークはイノベーターとして戦うというフェーズから、世界中にたくさんあるプロジェクトの中で如何にパフォーマンスを改善し、ライバルを抜き去るかということに注力するフェーズに入ってきています。

最近多くの日本のプロジェクトの方々ともコミュニケーションするのですが「プロジェクトを伸ばすための最重要な指標は何?」と聞いてみると、意外に即答できない方々が多いです。そしてそれは日本に限らず、海外のプロジェクトでも、実は雰囲気や数字の裏付けのないトレンドに沿って事業を進めていく状況が多いと感じています。

だからこそ、愚直にデータを分析してアクションにつなげていけば、世界のトップティアのプロジェクトに近づくことはそんなに難しくはないと思っています。

Web3領域におけるすべてのプレイヤーに対して、データは平等です。ぜひWeb3領域で戦っている、そしてこれから戦おうと考えている皆さんも、データとうまく付き合って世界を目指していくのが良いと思います!



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