失血死

ザシュッザシュッ
手首を切る
無表情で機械的に切った
何も感じない
ただ、赤い、紅い鮮血が周りに飛び散る
そのままちゃぷんとお風呂に溜まったお湯に手首を入れた
血が凝固しなくなりそのままゆっくりゆっくりと血が失われる
身体が冷えていく感覚がする
血と共に身体中の毒とも呼べる感情が抜けていく気がする
簡単な作業で清々しい気分になれた
最期にこんな気持ちになれるなんて
とても幸せだ
決して幸せな人生じゃなかった
辛かったことしか思い浮かばない
苦しい気持ちに溢れていた
そんな汚い物が血と共に流れ落ちて
自分を綺麗にしていく
醜い嫉妬も
汚い独占も
愚かな依存も
全部抜けていく
スッキリした気分で向こうに逝こう
張り巡らされた思考も徐々に抜けていく
意識も血と共に抜けていく
瞼が重い
眠気が自分を襲う
ああ、、眠いな、、、、
眠い、、、眠、、、い、、、、
思考が止まった
最期の顔は
毒素が抜けたような清々しい顔をしていた

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