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月刊そうすけ vol.16

ー物の心を助けるーを社訓とする「古家具古道具そうすけ」
その名の通り店内には、愛情を持って丁寧に補修された古家具や古道具たちが並びます。
心を込めて、前の持ち主から新しい持ち主へのバトンタッチの役目を果たしたい。
一生付き合える古家具古道具との出会いがあることを願って…。
「古家具古道具そうすけ」で起こるあれこれを月一でお届けします。

さて、11月です。気づけば今年もあとわずか・・・、どんな心持ちで今を過ごしておられるでしょうか。
今年は色々がんばったなあ・・・、まだまだやることが目白押しだなあ、きっとそれぞれですね。
今回のスタッフインタビューはそうすけに入社してちょうど一年目、富山県出身の若きスタッフ「柿谷悠也」さんです。


建築の勉強を長くしました。


ー26歳で1級建築士を取得ー

富山のベッドタウンで生まれ、
「古い車好きの父ちゃんと元気な母ちゃんと兄ちゃん」の4人家族で育ちました。中学生の頃、漠然と一番かっこい職業ってなんだろうと思いついたものが建築家でした。工業高校の建築学科に進んだ柿谷さんは、そのまま金沢工業大学の建築学科に進学します。

金沢という文化的にも恵まれた土地で、空間展示や企画などを学ぶ研究室に入り、学友達と楽しい日々を過ごしました。

卒業後に故郷に帰り、店舗関係の建築事務所で働き始めます。

初めの数年は現場監督のポジションでやりがいのある日々を過ごしますが、
設計のデスクワークに移ると、体を動かせない業務内容が辛くなってきました。

インタビューの間、ふと
「僕、資格を取る才能があるんです!」
穏やかで静かそうに見える雰囲気の彼から、急にはっきりとこの宣言!

その自信通り柿谷さんは、働きながらわずが26歳でストレートに一級建築士の資格を取得しました。


富山時代、祖父から譲り受けた納屋



ー祖父から譲り受けた納屋ー

仕事が辛くなり始めていた頃、祖父から好きに使っていいよと
敷地内にあった納屋を譲り受けることになります。

古いものが雑然と並ぶ景色がカッコいい!
閃きのようなトキメキファーストインパクトが柿谷さんに訪れました。

さて、学生時代からの親友とまず納屋の解体から始めました。
建物がどういう仕組みで成り立つのかがわかる、解体という作業はとても興味深いそうです。


納屋を解体したところ


思えば子供の頃、祖父の家に遊びに行き、引き出しの中から色々見つけ出し
組み合わせてキーホルダーを作った記憶がありました。

よくわからないものを集めるのが好きなんだそう。

自分の好きな物事を見つめ直し、一級建築士も取得した、
違う道に行くなら今しかないだろうと仕事をやめる決心をつけます。


旅中のコンビニにて


ーバイクで日本半周!ー

半年くらいフラフラしようと思い、そうだ、バイクで日本一周しよう!と出かけます。

「結果、半周で終わりましたw」
富山から鹿児島まで行って、四国から上がって半周。

様々な景色が見れたこと、人の優しさに触れたことが旅の収穫でした。
コンビニで野宿しようとしていると、店長みたいな人がエナジードリンクくれたり。

「九州とか香川県の人、優しかったなあ…。香川はお遍路さんの文化で、おもてなし文化があるみたいで慣れているみたいですね。」

その日の朝にどこ行こうか決めて、大学時代の研究室で一緒だった各地の友達にも会う。今どうしてる?と確かめ合う充実した旅でした。



旅の供 YAMAHA XT250



ー故郷を出てそうすけと出会うー

元々地元が好きでしたが
自分がやりたいことを固めるためにも、一度出てみようと故郷をあとにします。

横浜の白楽にいた友人が、住んでいいよと部屋を空けてくれました。
そこからすぐ仕事先探しを始めます。

ネットで見て数件目に「そうすけ」を見つけ、感覚的にここだろうなと思った柿谷さんはその足で店に訪れました。

やはり感覚は間違っていなかった!
カッコいい古家具屋さんはたくさんあるけど。。。

「最初にじいちゃんの納屋で受けたカッコよさの感じと同じ衝撃が、そうすけに入った途端に体に走りました」
「ちょうどカウンターに徹さんがいて、勇気を出しながら、震えながら求人はないか聞いてみました」


カウンターに徹さん


ー働き始めて1年ー

できないことがあって落ち込むこともありますが、工房にいて隣で家具が直っていく様をみたりするだけでテンションが上がると言います。

主に、洗い・塗装・仕入れを担当する柿谷さん。

仕入れは年明けから米倉社長に連れられ同行するようになりました。
隣で米倉社長が選んでいく様が刺激的でずっと観察していると、なんとなく狙いがわかってくるそうです。

「2ヶ月前に一人でデビューしたんです、めっちゃ緊張したけど」

嬉しそうに話す柿谷さん。

実は筆者も、体調を崩し仕入れに行けなかった米倉社長からこの件は伺っていて、
柿谷さんがしっかり仕入れができていて頼もしさを感じているなということが伝わってきておりました。

前回インタビューした修理担当の原さんとは良いコンビネーションのようで、
修理のあれこれだとか、好みの家具についてなど色々と話が尽きないそうです。

柿谷さん好みの、曰く硬めの家具 金具部分がポイント


「今僕が塗りをメインにやっていますがそこに人手ができれば、僕も修理もできるようになるので、ぜひやっていきたいですね」と語ります。


柿谷さんのお仕事を動画でもどうぞ。こちらをクリック⇧



将来のプラン構想中!



ー将来的には富山で店をやりたいー

富山の好きなところはと聞くと
「生まれ育った土地で色々な記憶があるので愛着があるし、そこそこ栄えている場所と自然があって、どこに行くにも車が必要な距離感が心地良いなと思います。」
と柿谷さん。

将来的に自分が納得したタイミングで故郷に帰って店をやりたいと、それはそうすけに入る段階からもう決めていることでした。

扱うものはそうすけで知識を培った古家具・古道具が理想だが、年々仕入れ数も減ってきている現状で、何か工夫をしなければならないと考えているそうです。

「建築をしている友人が多いので、取り扱う古家具を置いたり、
古いものが持っている魅力を建築に活かせないかと話しています」


金沢工業大学時代のインスタレーション作品
当時の研究室仲間とは将来のことも色々話す仲。


ーそうすけ愛ー

故郷からこちらにきてよかったことってありますか?という質問に

「今のところ、そうすけで働けてることですかね」
と答えるくらい、一見クールな柿谷さんのそうすけ愛はかなり強いと見受けられます。

圧倒的存在感の米倉社長から、直々に店の作り方を教わる日々。
「だせえ!」の一言で僕の並べたものを切り捨てられることもあります(苦笑)

しかし絶対的リスペクトと憧れの眼差しを米倉社長に向け、日々成長する柿谷さん。今の時代において、なんだか胸が熱くなる関係性ですね。

最近、たまたま同時期に故郷から出てきた親友に、大学院で建築を学んでいる関係もあり校内や上野周辺を案内してもらったとか。
公園でのんびりとした時間を過ごし、ここにくるだけでいい休日だなと感じたそう。

穏やかで優しく、肩の力を抜いて飄々と、静かに楽しく、しかし決めるとこはマトを外さないというなんともスマートな印象を受ける柿谷さん。(いい奴なのは間違いない)

今後のそうすけでの活躍や、将来どのようなお店や仕事を作っていくのか、
目が離せませんね!


「古家具古道具そうすけ」
https://www.so-suke.com/
https://www.instagram.com/sosuke312/
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取材:合同会社ノスリ舎

https://www.instagram.com/nosuri_sha/


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