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想定問題『R6電気電子部門:電気設備』選択問題Ⅲ/技術士第二次試験


 本記事は、上記記事「問題Ⅲの対策法」へ変更することとしました。

 なお、本記事も試験対策として有効な内容があると思いますので、以下にこのまま残しておきます。


【1】 過去問題Ⅲの「テーマ」の分析

 電気電子部門・「電気設備」科目の選択問題Ⅲについて、直近6年分(平成30~令和5年度)の過去問題を調査しました。

 私の恩師よると、「3年毎に類似問題が出題されることがあるため、その2クール分の過去問題を調査したほうがよい」、という見解があります。
 令和元年度に試験制度が改正されましたが、今回、私はその見解を参考に、試験制度前の平成30年度問題を含めて調査しました。


1.1 過去問題(日本技術士会)

 電気電子部門の過去問題は日本技術士会の下記URLに掲載されています。
 https://www.engineer.or.jp/c_categories/index02022224.html

 

1.2 過去問題の「テーマ」

 過去問題の問題文は非常に長いのですが、それぞれの問題の「テーマ」を以下のように分析しました。

 ・H30 Ⅲ-1 : LC設計
 ・H30 Ⅲ-2 : ZEB
 ・R01 Ⅲ-1 : 再生可能エネルギー
 ・R01 Ⅲ-2 : 照明設備
 ・R02 Ⅲ-1 : 大規模再開発計画
 ・R02 Ⅲ-2 : 中小賃貸オフィスビルの改修計画
 ・R03 Ⅲ-1 : 建設業界の生産性向上
 ・R03 Ⅲ-2 : 視環境改善(省エネルギー)
 ・R04 Ⅲ-1 : 多極分散型国土の実現
 ・R04 Ⅲ-2 : 地域脱炭素化(エネルギー利用)
 ・R05 Ⅲ-1 : スマートコミュニティの構築
 ・R05 Ⅲ-2 : 超高齢化社会への対応


1.3 「テーマ」の区分

 「電気設備」科目の「専門とする事項」について、令和5年度受験案内・p40では、以下のとおり記載されています。

 建築電気設備、施設電気設備、工場電気設備その他の電気設備に係る「システム計画、設備計画、施工計画、施工設備及び運営」に関する事項

 (上記「太字」は、私小泉が強調させました)

 上記太字に示される事項と、過去問題の内容から「エネルギー・省エネ」について問われていることを踏まえ、選択問題Ⅲの「テーマ」は以下の①~④に大別されると考えました。

  ①エネルギー・省エネ
  ②設備計画
  ③施工計画
  ④システム計画

 次に、上記①~④を各過去問題に当てはめてみます。

  ① ← H30 Ⅲ-1 : LC設計
  ① ← H30 Ⅲ-2 : ZEB
  ① ← R01 Ⅲ-1 : 再生可能エネルギー
  ② ← R01 Ⅲ-2 : 照明設備
  ③ ← R02 Ⅲ-1 : 大規模再開発計画
  ① ← R02 Ⅲ-2 : 中小賃貸オフィスビルの改修計画
  ④ ← R03 Ⅲ-1 : 建設業界の生産性向上
  ① ← R03 Ⅲ-2 : 視環境改善(省エネルギー)
  ④ ← R04 Ⅲ-1 : 多極分散型国土の実現
  ① ← R04 Ⅲ-2 : 地域脱炭素化(エネルギー利用)
  ④ ← R05 Ⅲ-1 : スマートコミュニティの構築
  ④ ← R05 Ⅲ-2 : 超高齢化社会への対応


1.4 「テーマ」の区分の傾向

 前述した各過去問題に対して①~④を当てはめた結果を、以下のとおりと考えます。

・全12問題のうち、6問題(全体の1/2)が「①エネルギー・省エネ」であった。
・①の次に多いのが「④システム計画」であった(全12問題のうち4 問題:全体の1/3)。
・「②設備計画」と「③施工計画」は1問題ずつであった。
・「①エネルギー・省エネ」は通年出題される傾向にある。
・「④システム計画」は令和3年度以降に出題し始めたテーマであり、前回試験(令和5年度)では2題とも本テーマであった。


1.5 令和6年度・選択問題Ⅲの「テーマ」の想定

 前節で述べた結果より、今後の選択問題Ⅲの「テーマ」は、「①エネルギー・省エネ」と「④システム計画」に絞られると考えます。

 「①エネルギー・省エネ」については、「エネルギー白書2023」が参考になると考えます。
(参照URL:https://www.enecho.meti.go.jp/about/whitepaper/2023/pdf/

 「エネルギー白書2023」からテーマを絞るとすれば、「第1部 エネルギーを巡る状況と主な対策」の中から、以下の2項目が令和6年度試験の出題テーマとして有力と考えます。

 1)エネルギーセキュリティを巡る課題と対応
 2)GX(グリーントランスフォーメーション)の実現に向けた課題と対応

 次に「④システム計画」に関する出題は、非常に幅広いテーマとなりそうです。過去問題のテーマを再掲します。

  ・建設業界の生産性向上
  ・多極分散型国土の実現
  ・スマートコミュニティの構築
  ・超高齢化社会への対応
 
 ここは強引かもしれませんが、私の取得部門である「建設部門」の受験生がバイブルとしている「国土交通白書」のテーマに類似しています。

 そこで、「電気設備」科目の選択科目Ⅲで「④システム計画」が出題され始めた令和3年以降の「国土交通白書の第Ⅰ部テーマ」を以下に示します。

   ・令和3年版:危機を乗り越え豊かな未来へ
   ・令和4年版:気候変動とわたしたちの暮らし
   ・令和5年版:デジタル化で変わる暮らしと社会

※参考:国土交通白書URL:https://www.mlit.go.jp/statistics/file000004.html

 令和3年版に示される「危機」もざっくばらんと範囲が広いのですが、当年度版・第Ⅰ部の第2章に以下の5項目を挙げています。
   
    ・社会の存続基盤の維持困難化
    ★災害リスクの増大や老朽化インフラの増加
    ・多様化を支える社会への変革の遅れ
    ・デジタルトランスフォーメーション(DX)の遅れと成長の停滞
    ・地球温暖化の進行
 
 個人的主観ですが、今年は元日に大地震が発生しましたので、危機とは「災害リスク」と想定します。

 以上を再整理しますと、令和6年度の想定テーマは以下のとおりと考えます。

   1)エネルギーセキュリティの対応
   2)GX(グリーントランスフォーメーション)の実現
   3)電気設備の災害リスク対応
  

【2】設問(1)の想定

 本節以降は、前節【1】よりかなりボリュームが小さくなります。
 
 過去問題の問いかけが徐々に変化していますが、大局的には変化なしと考え、以下のとおり想定します。

★上記を踏まえ、「想定テーマ」へ対応するために、 電気設備分野の技術者としての立場で多面的な観点から3つの課題を抽出し、それぞれの観点を明記したうえで、その課題の内容を示せ。 
 


【3】設問(2)の想定

 設問(1)と同様に、過去問題の問いかけが徐々に変化していますが、大局的には変化なしと考え、以下のとおり想定します。

★前問(1)で抽出した課題のうち最も重要と考える課題を1つ挙げ、その課題に対する複数の解決策を、専門技術用語を交えて示せ。 


【4】設問(3)の想定

 設問(1)及び(2)と同様に、過去問題の問いかけが徐々に変化していますが、大局的には変化なしと考え、以下のとおり想定します。

★前問(2)で示したすべての解決策を実行しても新たに生じうるリスクとそれへの対策について、専門技術を踏まえた考えを示せ。 

 または、

★前問(2)で示したすべての解決策を実行して生じる波及効果と専門技術を踏まえた懸念事項への対応策を示せ。 


【5】令和6年度・選択問題Ⅲの「想定問題」

 以上より、令和6年度・選択問題Ⅲの「想定問題」を、以下のとおり3題示します。
 なお、ここでは「想定テーマ」に対する背景文を省略します。


▼想定問題1

 我が国では「エネルギーセキュリティへの対応」が求められている。(+背景文)

(1)上記を踏まえ、「エネルギーセキュリティ」へ対応するために、 電気設備分野の技術者としての立場で多面的な観点から3つの課題を抽出し、それぞれの観点を明記したうえで、その課題の内容を示せ。 

(2)前問(1)で抽出した課題のうち最も重要と考える課題を1つ挙げ、その課題に対する複数の解決策を、専門技術用語を交えて示せ。

(3)前問(2)で示したすべての解決策を実行しても新たに生じうるリスクとそれへの対策について、専門技術を踏まえた考えを示せ。


▼想定問題2

 我が国では「GX(グリーントランスフォーメーション)の実現」が求められている。(+背景文)

(1)上記を踏まえ、「GX(グリーントランスフォーメーション)」を実現するために、 電気設備分野の技術者としての立場で多面的な観点から3つの課題を抽出し、それぞれの観点を明記したうえで、その課題の内容を示せ。 

(2)前問(1)で抽出した課題のうち最も重要と考える課題を1つ挙げ、その課題に対する複数の解決策を、専門技術用語を交えて示せ。

(3)前問(2)で示したすべての解決策を実行して生じる波及効果と専門技術を踏まえた懸念事項への対応策を示せ。 


▼想定問題3

 我が国では「電気設備の災害リスク」が求められている。(+背景文)

(1)上記を踏まえ、「電気設備の災害リスク」へ対応するために、 電気設備分野の技術者としての立場で多面的な観点から3つの課題を抽出し、それぞれの観点を明記したうえで、その課題の内容を示せ。 

(2)前問(1)で抽出した課題のうち最も重要と考える課題を1つ挙げ、その課題に対する複数の解決策を、専門技術用語を交えて示せ。

(3)前問(2)で示したすべての解決策を実行しても新たに生じうるリスクとそれへの対策について、専門技術を踏まえた考えを示せ。

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さてここまで、いかがでしょうか???


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