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小型特殊免許取得RTAになった話

2020年3月以降に取得したパスポートが身分証明書として使えなかったので、4時間ほどの準備で小型特殊免許をとりました。

※ 試験対策のみ興味のある方は、「試験対策」の欄をご覧下さい。
※ RTA: Real Time Attackの略。和製英語で、ゲーム開始からクリアまでの実測時間を競うプレイスタイルを意味する。


どうしてこうなったか

数週間前にパスポートを取得しました。

海外渡航目的もありますが、身分証明書として利用するためです。マイナンバーも免許証も持っていない今どきシティボーイの自分には有難い代物です。

そしてつい先日、締め切り日までに海外送金をする必要があり、wiseという手数料が安い送金サービスを利用することにしました。いざ送金をしようとした刹那、身分証明提出の欄で手が止まります。

以下の日本の顔写真付き身分証明書が受付可能です:

* マイナンバーカード - 返納されているものや、マイナンバー通知書(緑の紙のカード)は受付けできません
* 日本の運転免許証
* 2020年3月前に発行された日本国パスポート
* 在留カード


ん?


2020年3月前に発行された日本国パスポート


...


おいおいおいおい!

こないだ取ったパスポート使えねーじゃねえか!?


なんと2020年3月以降に発行されたパスポートは、身分証明書として機能しないことが発覚しました。

どうやらパスポートの書式が変わり、所持者の住所を書く欄がなくなったためです。


もちろんwiseを使わなくても送金はできます。

しかしできるだけ安く済ませたい。何より今後のことを考えてちゃんと使える身分証明書を持っておきたいと考えた私は、「免許 即日」でググりました。

するとこんな記事を発見。

はえー、やろうと思えばすぐ免許とれるんだ!


さらにnoteにて、こんな記事も発見。

ほうほう、原付じゃなくても小型特殊ってのがあるんか。実技しなくてもいいとかヌルゲーやん!


なんでも本籍が書かれた住民票と保険証と免許に関わる費用さえあれば、即日で免許がとれるらしい。(申請書用の顔写真は当日、免許センターの証明写真機で撮れる)

送金の締め切り日が迫っている、かつwiseは送金に数日かかる。

明日は一日中忙しいので、明後日には免許センターに行ってその日のうちに受け取りたい。


現在時刻は16:10。

役所はまだ開いている。


行くか…


こうして、小型特殊免許取得RTA(リアルタイムアタック)のタイマーがスタートしました。


今回使用したチャート

今回のRTAで走ったチャートは以下です。

【一日目】
役所で本籍が書かれた住民票(マイナンバーの記載無し)を取得する

試験対策する

【二日目】
(仕事で一日潰す)

【三日目】
住民票、保険証、お金を持参し、免許センターに行く(スキマ時間に勉強する)

免許センター内で証明写真を撮り、申請書を記入する

申請書とお金を受付に出して、学科試験の受験資格を得る

試験を受け合格する

免許証用の写真を撮る

免許証を受け取る


「試験を受け合格する」は高難易度ストーリークエストです。「試験対策する」でいかに効率よく準備するかが鍵になります。カンニングは文字通りチータークソ野郎がすることなのでご法度です。

(「免許証用の写真を撮る」もやや高難易度クエストですので、後述します。)

また自分の場合、オリジナルチャート要素として「仕事で一日潰す」が入っています。スケジュールを事前にうまく組んでおけばこの部分は省略されタイムを24時間減らすことができます。


試験対策

偉大な先人の手記によると、対策時間は3時間でもいけるとのことだったので、自分もそれにならいました(単純)。スキマ時間のコソ勉も入れると4時間位だと思います。

(↑参考ブログ)

試験対策としてはまず「原付免許」というアプリを使いました。

小型特殊免許とはいえ試験問題の大部分は原付と同じなので、まずこのアプリで出る出題範囲を抑えました。

このアプリではジャンル別の問題を5問ずつ解くことができます。また各問題にはチェクマークつけることができ、あとでマークがついた問題を復習することができます。

そこで以下のような手順で進めました。


【ぼくが考えた最強の戦略】
ジャンルを選択する(「運転の基礎知識」など)

まず5題解く

間違えたらその5題を再度解く

再び間違えたら、間違えた問にチェックマークを入れ、また同じ5題を解く

全部解けたら次の5題に行く

そのジャンルが終わるまで続ける

そのジャンルが終わったチェックマークが入った問題を解く

覚えた問題のチェクマークをはずす。不安なら残しておく。

チェクマーク問題を一周したら次のジャンルに行く

以下ループ

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これを「運転の基礎知識」から「危険予測【イラスト問題】」の途中まで続けました。(イラスト問題は常識でほぼ解けたので、途中でやめました。総合演習は当日の朝に少しやりました。)

もちろん、これらを一気に終わらせるのは苦行です。少なくとも自分は辛すぎたので、5題×4,5セットほどやったら数分の休憩を挟みました。(推しVTuberの「安土桃ちゃん」のアーカイブをチラ見してました)


また問題解説だけではいまいちピンとこない用語などについては、その度に画像検索するなどして補足しました。

「危険予測【イラスト問題】」まで行った頃には出題範囲は大体網羅することができました。


その後、YouTubeで次のような神チャンネルを発見します。

このチャンネルには原付免許問題10選なるシリーズが10本あり、再生速度を2倍速にして勉強しました。(適宜、一時停止しました)

動画視聴中、間違えた問題はスクショし後で見返しました

これが終わったら、同チャンネルの「一夜漬け!よく出る原付問題50問」を解きました。No.1, 2で100問あり、知識の抜け漏れを確認するにはピッタリでした。


ここまでの内容がだいたい吸収できたら、合格圏内だと思います。(無論、絶対とは言い切れませんが)

自分の場合、試験日前の2時間をアプリに費やし、当日の朝+移動中にYoutubeとアプリの総合演習問題の一部をやりました。試験までのトータルプレイ(勉強)時間は4時間ほどでした。

「締め切り効果」で適度な集中をもって勉強できましたが、不安な人は自分あった勉強時間•方法を採用して下さい。


試験当日~試験まで

さて、当日の状況を記しておきます。

朝5:00に起きて、数分瞑想し、コンビニでエナジードリンクを買い、それを飲んで朝勉を開始しました。

1時間ほど知識を詰め込み、朝ごはんを食べ、「本籍が書かれた住民票」「保険証」「免許費用(受験手数料1,500円、免許証交付手数料2,050円)」を携え免許センターに出発しました。

電車内では先に紹介した「一夜漬け!よく出る原付問題50問」× 2 を解きました。間違えた問題があっても、「もうこの問題、本番で絶対正解できるからラッキー」くらい呑気でした。

朝8:30から受付開始だったので8:20に着くようにしました。今思えば万が一に備えて、もう少し早く来た方がよかった気がします。(幸い、当日は特にハプニングもなく来れましたが)

免許センターに着き、受付に向かうと係員に「卒業証明書ある?」と聞かれました。「何の?」と思いましたが、どうやら自動車学校のことのようです。「小型特殊を受けに来ました」と伝えると「あー小型特殊ね、原付じゃなく?」と念を押されたので、「本当に小型特殊なんですよ(ニチャ」と答えました。

ペンで「小特」と書かれた申請書を受け取り、「ここに写真貼って、住所とか必要な情報書いておいて」と言われたので、近くにあった証明写真機に向かいます。写真を持参している人はそれを貼るだけで大丈夫です。

免許証センターにあった証明写真機は、取り直しが効かない800円一発勝負だったので、意味なく変顔をしてしまう方は事前に別の場所で撮っておいた方が良いでしょう。なお、この写真は免許証に載る写真ではなくあくまで申請書に貼るものなので、変に決め顔をしなくても大丈夫です

無事サイコパス苦笑いの写真が撮れたので、申請書に貼付し、その他名前など必要事項を書いて、受験料支払受付へ向かいます。受験手数料1,500円を支払い、その後視力検査を受け、受験資格があるか否かを自己申告する紙を受け取ります。「仮免許以外に何か他の〜」と仮免を持っていることが前提の文面だったのて、係員に小型特殊の場合の書き方を聞きながら埋めました。

書類を提出すると、どでかい声で「小型特殊でーーーす!!」と係員同士の謎の確認があり一瞬面を喰らいましたが、ドヤ顔でウンウン頷いておきました。(誰も見てませんでした)

鉛筆と消しゴムを渡され、9:15に所定の部屋の所定の場所に座るように伝えられました。それまではアプリで試験問題の最終確認をしながらエスカレーター横で待機しました。

9:12くらいに試験部屋に入りました。自分の受検番号は(小型特殊は1人しかいなかったので)001でした。そのため最前列左端の席に座り、試験開始を待ちます。同じ部屋には大型(?)や様々な種類の免許を取る方も大勢入ってました。

9:30くらいから警察の方が来て、30分ほど試験とその後の流れを説明します。「不正行為絶対に許すまじ」という恐ろしい圧力を感じ、逆にキョドって不審な動きをしそうでした。

10:00 試験開始。小型特殊免許は30分の試験です。明らかに使い古された問題用紙を開き、解き始めます。

始めのほうに標識問題が5題ほど集まっていました。

唯一、『(「停止線」と書かれた標識に対し、)これについて、車が停止する場合の停止位置を表している』という問題で手が止まりました。「これアプリとかyoutubeでやらなかったなー」と思いましたが落ち着いて推理します。

まずこの標識の意味は、「この先に停止線があることを伝える」か「この標識自体が停止線の役割」のどちらかだと考えました。しかし前者だとどういう状況で標識が必要になるんだと考え、「地面が見えないから事前に知らせるのか?、いや、地面が見えないならその先の停止線も見えないだろうから、始めからこの標識が停止線と同じ意味になってるだろう」と推理し、「正」をマークしました。

(あとで調べたところ、正解でした。ちなみに「停止線と書かれた標識の位置で、車は一時停止しなければならない」と書かれていたら、信号が青の場合は一時停止する必要がないので、「誤」となります。恐ろしいひっかけ笑)

ほかの問題はほぼアプリとyoutubeで見たままの問題でした。

小型特殊免許に関する問題では「小型特殊免許では小型特殊自動車しか運転できない」という問題が出ました。これに関しては小型特殊免許について最初にググっていたときに知ったので自信を持って「正」にマークできました。

他にも数題、小型特殊免許に関する問題が出た記憶がありますが、ほぼ常識の範疇で解けた気がします。(「小型特殊自動車は、定期的にライトや◯◯の点検をしたほうがよい」とかそんな感じの問題)

「常識」というのは、「もしこっちが正解だったら、いろいろアウトだろうなー」という感覚です。「曲がり角をあえて加速して入る」「歩行者より車のほうが優先」「飲酒も少量ならOK」といった類は己の倫理観を信じましょう。

また「常に」「必ず」「しなければならない」あたりの言葉を見たら注意しましょう。なにかしらの例外ケースを持っている確率が高いです。

さてそんなこんなで順調に解答をマークし、12分ほどで全問解き終わりました(自分の会場では正面のモニターに時間が表示されていました)。このときの問題セットが簡単だったのか、先の標識問題以外は難なく解けました。

念の為に試験をもう一度解き直し、20分過ぎたくらいで解答提出し、試験部屋を出ます。他の人は50分の試験を受けているので、その人達からしたら「あいつ、超天才かそうそうに諦めたバカだろう」といった感じでしょうが、自信をもってクールに去りました。

部屋を出たとき思いがけず係員に呼び止められました。

「いま点数確認するからちょっと待っててね。」

「え、もうですか?」

びっくりしつつ廊下で待つことに。

数分後、先程の人が駆け寄り「おめでとうございます、合格です!」と教えてくれました。


え?...

しゃああああああ、受かったぜえええええ、Yeaaaaaaahhhhhhhhh!!!!
免許持ってない人見てる〜〜〜〜?? ⤴⤴ ウェイウェイウェイ


 ...とは流石に言えず「あ、ド、ドモ」と小声で返しました。(ちなみに「小型特殊免許取得RTA」なのでRTAタイマーはまだ作動中です)


試験後 ~ 免許受け取りまで

自分の場合は試験後すぐ教えてくれましたが、同室で一般的な試験を受けていた人は一斉発表です。

自分もその発表の場に行って、そのあとの説明に従ってくれと言われました。ただ小型特殊の場合、その発表では番号が呼ばれないので、注意してとも言われました。これは自分の会場だけのケースかもしれません。

廊下で時間を潰しつつ、所定の時刻に発表場所(試験部屋と同質)に向かいます。「では発表します。モニターにご注目ください」と言われ電気が消されます。(謎の緊張感で笑いました)

モニター画面が切り替わり、合格者の試験番号(席順)が映し出されます。

ぱっと見半分以上が落ちており、低い「んーーー」という声が周囲から聞こえます。そして不合格者の今後の動きが係員から言い渡され、さらに不合格者は部屋から退出するよう指示されます。

先程言われたとおり自分の番号はなかったのですが、試験には合格してるのでステイです。

周りからしたらモニターに番号なかった奴が残っているという奇怪な状況なので、若干視線が痛かったです。

その後、係員から免許受け取りまでの動きが説明されます。その後、場所を移動し、申請に使うパスワード発行や、免許証交付手数料2,050円)の支払い、写真撮影に移りました。

写真撮影は本当に身だしなみを整える準備時間がありません!試験受けてから発表までのわずかな時間を使い、トイレ等で全力で確認することをおすすめします。

合否発表後はトイレに行く時間は全くありませんし、スマホも電源offにさせられていたので、インカメで自分の姿を確認することすらできませんでした。

そのため発表までに身だしなみを整えることができたら、撮影までの間、そのスタイルを死ぬ気で守り通してくさださい。(ある意味試験以上に意識を集中させましょう)

自分の会場では写真映りの確認さえさせてくれず、一発撮ったら「はいOK, 次〜」とあっけなく終わってしまいました。

(免許受け取り後確認したら、案の定、ちょろ毛を出しながらややニヤついている男がそこにいました)

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写真を撮ったあとは、3時間ほどで受け取りになります。その間、お昼ごはんなどを食べて時間を潰します。

なんちゃって健康志向な自分はというと、コンビニでササミソーセージ的なものを買いタンパク質を補給しました。

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そしておあつらえ向きに筋トレができる公園があったので、いまハマっている囚人トレーニングをしてました。(普段は朝やるのですが、この日の朝はご存知のように忙しかったので)

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筋トレ中、近くにいた素敵なおじ様が話しかけてくれて「君凄いね!その体力でうちの運送会社こない??」とスカウトしてくださいました笑

その後はスマホで英単語を覚えるなどして時間を潰し、あっというまに免許の受け取り時間になりました。

指定された場所に行くと多くの人がすでに待機していました。そして15:00頃、係員の誘導のもと所定の受け取り口にて免許を受け取りました。

ついに念願の小型特殊免許GETです。いえーい

はい、ここでRTAタイマーストップ。
記録は47時間でした

完走した感想ですが、かなりあっけなく取れたのでもっと前に取っておけばよかったと思いました。そしてこれで、マイナンバー及び有効なパスポート持ってない人権無い民から、写真付き身分証明書を有する一般人に昇格できたので嬉しかったです(もちろんなくてもやってはいけます)。ちなみに自分の場合、仕事により24時間のロスがあったため、RTAの後続者は夢の24時間切りが達成できると思います


最後に

そんなわけで小型特殊免許を短期間で取得することができました。もし皆さんがライブを2日後に控え、今まだ役所が開いているなら私と同じ方法で身分証明書を手に入れることができます。

人生という神ゲー中に発生した「おもしろイベント」だと思って少し頑張ってみてはいかがでしょうか?

この記事が後続するRTA走者の参考になれば幸いです。

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