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sosoの素(43)

登校日記 その3

ゴールデンウィーク中の大きな納品のために積み込みを一人でしていた。
あとは一番大きなものをユキちゃんに少し手伝ってもらって積み込むだけになり、お昼だったので家に帰ると今までにないどんより重い空気になっていた。
おいおいおい、こっちは明日の納品の準備で忘れ物がないかとか色々あるのになんで?となり、娘に聞くと何も言わずに泣き出し、ゆきちゃんもいっぱいいっぱい。息子はなぜか寝ている。それで娘に聞くと些細なことで喧嘩になって怒られたと泣きながら言ってくれたけど実際は娘はそんなに悪くなかったらしい。それでもこのどんよりした空気や新学期になってからのモヤモヤ感、明日のこと、今ある全てにしっかり話さなければと思いお昼ご飯の時に話をした。
ボタンの掛け違えみたいにいろんなことがずれて不協和になってる。息子は学校にすんなり行けないことが負荷になってたけど、お姉ちゃんはお姉ちゃんで新しい学年になってたくさんの仲良しの子と同じクラスになれたことや僕らが下の子にばかり心配してることも面白くなかったのもあってわがままが強かった。
それぞれがやらないと行けないことから目を背けてダラダラ過ごしてて、それが悪循環になってゲームをしないと落ち着かなくなってること。本来の二人はゲーム以外でも楽しく遊べるし、体を使って遊ぶことも好きなはずだし、学校も怖いことも嫌なことも何もないんじゃない?などなど。
お昼を食べた後、みんなで工房に来て子供達は外で自由に遊んで、僕らは納品の準備をしながら久しぶりに穏やかな時間を過ごしたような気がした。そして翌日、山の中にある納品先で2日間に渡って自然と戯れながら遊んでまだ寝たくないと言いながら気を失うように眠る時間を過ごして見ているこちらも気持ち良かった。

ゴールデンウィーク明け、まずもってすんなり学校にはいけないだろうと何の期待もせずについていく。やはり門の中で無表情で動かない。全員が登校した後、そろそろ行かなきゃみたいな感じでとぼとぼ歩き出すと明るい優しい先生がたまたま前から来てくて「頑張ってるねー。一緒にいこうか」と声を掛けてくれると表情が引き締まり泣くこともなく行けた。それまでもうまく行けたなーと思うときは優しく寄り添おうとしてくれる先生が来ると雰囲気が変わっていけることが多かったことを思い出す。その逆でみんないるよとか早くしないと1時間目が始まるよとか校内では楽しく過ごしてるじゃんなど大人の解釈で説得してくる先生が近くにいるときは後ずさりして頑なに行こうとしなかった。
きっと学校に行きたくないわけでも嫌いでもなくて、家モードの自分から学校モードの自分に変わるためのスイッチが作動しないというか完成していないのかもしれないと思った。

昔から何でもやりたがるお姉ちゃんと違い、習い事などは少し興味があっても一歩踏み出そうとはしなかった。小さな頃からどこでも楽しく過ごすお姉ちゃんを自分の後ろ盾にして自由を謳歌していた。(保育園は物心つく前から行っていたからそれがなかった)それがなくなり自分だけで家族以外の集団に入ることに不安がいつもあったのかもしれない。




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