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sosoの素(51)

信用

僕の工房はもともと用水管理事務局だったらしい。

ある時、地主さんの番頭さんとたまたま公園であってその地主さんの土地であろう土地について聞いていると今の工房の建物を指して、あそこだったら草刈りとかしてくれたら貸せるよと言ってもらったのがことの始まり。
もちろん見ず知らずの奴がいきなりきてそんな話をしたのなら断られておしまいだっただろうけど、僕は関わりがあったのもラッキーなことだった。
それから仕事をしながら2ヶ月くらいかけて葛で覆われた場所をできる限り根っこから引き抜き整地し建物に入れるようにしたんだけど、もう一度それをしてくださいって言われたら嫌だなーと思うくらい大変な作業だった。
それから毎年春から秋にかけて2,3週間に一度くらいのペースで草刈りをしている。使い始めた頃に比べると生えてくる草も優しくなり、管理も容易になってきてる。そして頼まれてる訳ではないけど、敷地外の同じ地主さんのところ(借りてるところの倍以上の広さ)も一緒に草刈りをして一人気持ちがいいなーと眺めてる。

ある時、草花を育てたいと思い立ち、工房内の2坪くらいのスペースを耕して始めたけどこじんまりしすぎて始めにイメージしたものと程遠かった。それでずっと空き地で雑草まみれになってる工房横のお寺さんの土地を綺麗に管理するので草花を植えさせて欲しいと頼みにいくと逆にいいの?とお礼を言われるような状態でお借りできた。
これも僕が工房周りをずっと草刈りしているのもしったらっしゃってのことでそのおかげですんなりとことが運んだんだと思ってる。

そうやって色々やってると散歩のおじさんやおばさんに声をかけられることも多い。面倒だねと思うタイミングもあるけど何となく世間話をしながら最後は頑張ってねなんて労ってもらうとやっぱりちょっと嬉しいものです。

僕らは僕の母親の実家という縁だけでここにいるけど、子供が保育園に行くようになって登園途中にある畑で知らないおじさんに野菜をもらったり、綺麗なお庭のおうちのお花を取らせてもらったり徐々に馴染んでいきている。
そして僕たちだってそうだけど、そうした日々の行動をいろんな人が何となくぼんやりと見ていて、あそこの人はこんなことしてたよなんて話をどこかでしている。

草刈りも草花畑も基本的には誰かのためじゃなく自分たちがしたいからやってることだけど、草刈りをした翌日にさっぱりしたねーとか花が咲いてきた時に綺麗だねーなんていってもらえると自分たちのやりたいことが誰かの役に立ってると実感できることは嬉しいねーとよくゆきちゃんと話してる。
メリットやデメリットとかそんな無粋な感覚じゃなく、ちょっとやっといてあげよってくらいの軽い気持ちがちょうどいいかな。

いいこともわるいことも周りはしっかり見ているね。

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