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sosoの素(47)

登校日記 その7

1週間その調子で順調に登校できた。
毎日毎日嬉しくて、お姉ちゃんも優しくしてくれてることも僕らの嬉しさを何倍にもしてくれた。
やっぱりノーテレビノーゲームdayのように日常とは違うことがあると不安を見つけたり寂しくなるのかもしれない。

その週末、サッカースクールがあった。先週はお姉ちゃんの誕生日会のためお休みしたから今週は行こう、そして体験は最後だから楽しいならちゃんと入団してユニフォームも買わなきゃね。と話していた。
サッカースクールはいつも13時から始まる。なので12時半には食事を済ませおきたいけどその日はお姉ちゃんが昼前に病院に少しいかないといけなく、ゆきちゃんと出かけていった。簡単な診察程度だから早く帰ってくるはずだったけど病院が混んでて診察をしてもらえないと連絡が来たので僕と息子だけ食事してサッカー行くことにした。
その日は午前中から雰囲気が少し違っていた。先週休んだからサッカーに行くのがドキドキしてそうな感じ。そして二人で先に食べてサッカーに行こうと話すとより緊張が増した感じだった。それでも遅れていけば余計に行きにくくなるから早めに食べさせてゆきちゃんたちが間に合えばラッキーだなと考えていた。
そうめんを食べようとしてもなかなか箸が進まない。口数も極端に少なくなり感情が消えて行くような感じになって学校に行けない時のような雰囲気になっていった。
ここで休んでまた来週行こうとしたところで問題の先送りなだけで先送りした分、負担が増すのは目に見えている。なんとか今週行かせてやりたいと思い、色んなことを話しながらなんとか食事をすませて自転車で行きたいと行ったので自転車に乗ろうとしたら体がピクリとも動かなくなった。
だよね。
スムーズにはいってくれないよね、
うんうん。そんな気持ち。
そこでもどうしたいの?サッカーやめる?嫌いになった?ドキドキから逃げてない?なんて話をしてはいるけど時間だけがどんどん過ぎていく。そうこうしているうちにゆきちゃんたちが帰ってきた。二人で頑張ってるところに来たからまた気持ちが振り出しに戻ったみたいになり同じことを話す。なんとか気持ちを持ちこらえてくれて自転車では間に合わないから車で行くことに。駐車場に着いた時まだスクールは始まってなかった。これなら入りやすいから早く行こうと声をかけて歩き出すとピタッと止まった。
ここまで来てまた止まるのか、、、。
200mくらい離れたところにいるみんなを見て緊張が高まったようで、近づくことを拒否するように膝は伸び、重心は後ろに。学校にいけなくなって一番拒否反応が強い時と同じ状況でこちらの心も折れかかる。もう怒るしか方法ないかなんて。
それでもこみ上げる怒りを一生懸命抑えてたくさん言葉を投げかけ、少し強い言葉も出ながらも怒っちゃいけないと自分に言い聞かせて、家を出るのに30分、着いてから40分、ようやくグラウンドに到着した。
グラウンドについてら女性のコーチがやってきてくれて「なんで来れなかったの?」と聞いてくれたけど恥ずかしいのか黙ったままで、僕が言うのも野暮だからそのまま見守り無言のままみんなの中に入っていって、コーチたちが優しく声をかけてくれて5分後には楽しくみんなとサッカーをしていた。

ほどなくしてゆきちゃんがやってきてさっきやっと始めれたと話し、大変疲れましたと苦笑いしながら見てると給水休憩のために息子がやってきたのでスクール入る?と聞くと元気良く「うん!」と答えて練習に戻っていった。
これまで何度聞いても「わからない」としか言わなかったのが初めて快諾してこちらがびっくり。練習後、連盟本部に行き、入会手続きとユニフォームを購入した。
帰宅後早速ユニフォームを着てボールを蹴ってる小さな背中についてる自分で選んだ99番はとてもたくましく力強かった。


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