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sosoの素(84)

ホワッとした瞬間

先日、日本在住の中国人の方がわざわざ関東から来てくださった。
日本語も流暢で15年ほど日本で仕事をしているらしく、その間に器が大好きになり、今回は福岡へ器を買いに行った帰りに途中下車して来てくれたそう。
静かにゆっくり商品を選んでくれて、本当に好きなんだなーとお話しなくても感じられる雰囲気で楽しい時間を過ごしてくれた。
お店自体も終わりかけだったのでゆっくり話しながら中国版のツイッターやインスタグラムの話になり、そこで僕の商品のことを知ってくれて気にしてくれてたらしい。
その流れで中国での日本人作家の転売の話になった。
彼女は僕のところに来る前に行っていた福岡で、憧れの作家さんの展示にも行ったらしくそこで開店前に並んでると運悪く後ろに並んでたのが転売目的のアルバイトの中国人だったらしく中国語で「だれがこんな器ほしいの?意味わからん」と話してるのを耳にして憤りを感じてたと話してくれた。そこから中国での日本人クラフト作家の話になって少しずつ中国のギャラリーでも紹介されるようになって来たけど、国土の広い中国国内で買えない人たちがいるから正規の金額で販売しても転売が起きてるようで正規の金額のみで流通させるのは難しいらしい。
僕は少し中国版のツイッターやインスタグラムに興味があってやったらどうかなーと話してると絶対人気になると言ってくれた。
人気になるかどうかは置いといて、中国は日本の比じゃない人口だからそこで今以上に需要が生まれたら一人で制作してるから供給が追っつかないなーと捕らぬ狸の皮算用をしていた。

僕は自分の欲しいものを作っておすそ分けのように販売したいと思ったのがスタート。だから必死になって数を作るのはやりたくないし、買ってくれてる人の喜ぶ顔がみたい。売れてお金がたくさん入って来ることよりも僕の作ったものがその人の生活を豊かにしていることを感じていたい。それは流行を読んで汲み取り稼げる時にたくさん稼ぐのではなく、自分の好きなことを細く長く続けて行けて行くことが大切。そんなことを話していると彼女は「それが日本のいいところ!」ストレートに褒めてくれた。
その時、僕の中でなんとも表現できない幸福感が膨れ上がって思わず「日本はそんなにいいの?」と聞くと「本当に素晴らしい国ですよ!」と濁りのない声で褒めてくれた。
僕の作ったものを気に入って褒めてくださる方はたくさん今までもいて、直接的だからか少し気恥ずかしさもあったし、嬉しいけど僕自身の喜びよりも喜んでくれてる人が嬉しそうなのが嬉しかった。だけど彼女の言葉は僕だけじゃなく日本の文化や人を肯定してくれて、僕が大切にしたいなーと思ってることが日本という言葉を使って一番いいところと伝えてくれたことが頭がボーとしてしまうくらい幸せを感じた要因かもしれない。
身近なもの、当たり前にあるものに対して僕らは謙遜の気持ちも多少ありつつ否定的な感情を抱きやすい。
僕も国という単位で考えた時、どよんとした政治家ばかりが頭に浮かんでしまってあまりよい感情を抱いてなかったことにも気づいた。

少し遅くなったので彼女を駅まで送ってあげて、車中もいろんな話をしながら最後にもしも中国版のツイッターやインスタグラムを始めたくて中国語の翻訳が必要ならボランティアでぜひ私にやらしてくださいと言って帰っていった彼女にとてもたくさんの贈り物をいただいたのでした。


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