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sosoの素(81)

下心にはご用心 中編

カトラリーはずっと変わらず作り続けたものがsnsで少しずつ知られていったのか急に売れ出した。以前にお金を作ってるような感覚が起きてもおかしくないような状況だけど、その時に比べると僕自身が成長していたりお客さんが本当に喜んでくれてる実感を得れてたから一生懸命頑張れた。通販をしなかったのも変なモヤモヤを抱えずに済んだ要因だったなーと今は思う。
表札のオーダーも直接会って家づくりの苦労や思いを聞きながら一人一人のお気持ちを受け取ってその方のためにと思うとたくさんのオーダーを抱えててもあの方が喜んでくれるかなーと丁寧に制作できた。
大変でもしんどくてもみんなの想いに応えたい、喜んで欲しい思い無我夢中で作るあまり身体を酷使しし続けて、少しの衝撃でも手首に激痛が走るほどに身体を痛めてしまった。

この経験から身体と心と頭には深い関係があるのではと考えていてそれは前の記事でも書いたけど、頭だけで考えていても身体と心はついていけないし、年齢の共に体力気力も衰えてくるから根性や気合いだけではうまくいかなくなる。
この先元気にバリバリ働ける期間はきっと思ってるよりは長くない。
そうか、人生には終わりがやってくるのかと考えると自分が好きな人に会ったり、やりたいことをやるだけで残りの人生終わってしまんじゃないだろうか。
だから八方美人で全てにいい顔して大してやりたくないことや嫌なことに時間を費やす暇はないとも思うようになっていった。
そして勇気を出して売り上げのためにとか無粋な気持ちでしていた自分が乗り気じゃないことは徹底的に排除していき、売り上げがなくても自分がワクワクすること楽しいことに時間を使うことにしていった。
「やりたいことだけをやる」そのフレーズだけ聞くとやりたいことだけをやって、悠々自適にそして夏休みの子供のように好き勝手にやってるのか、いいなと思われるかもしれないけど、そんな場当たり的なやり方ではやりたいことは出来ない。
好きなことだけをしようと思っていても大変なことが山盛りで好きなことだけをしたいのにこんなことしたくないと投げ出したくなる。楽しいことや好きなことをするってのはそれを達成するために下ごしらえや準備が必要だし、知識と経験が足らないなら積み重ねていかないといけない。ギターが弾けたらかっこいいなーと思っても直ぐには弾けない。何でもない簡単な曲を弾けるようになるには地道な練習が必要なのと同じように。

自分の手にしたい喜びのためだから大変なことがモヤモヤすることじゃなく、ここを乗り切れば楽しいことが待ってるし、この大変さが自分の楽しさを作っていてそれでいてその大変だった時間が楽しさや充実感を倍増させることがわかってるから頑張れる。

そんなことをして「売り上げ」というものを目的にせずに楽しいことや好きなことをすることを目的にし始めると体も心も軽くて仕事もはかどるし、気持ちの良い時間を過ごせているから仕事が楽しくなる。毎日をご機嫌で過ごせているからそれをいいねと言ってくれる人たちと出会ってより一層気持ちのよい時間を過ごせて、そんな穏やかな時間を心からありがたく思えて自分たちが満たされてる実感を与えてもらえる。
そんな好循環をしていると気がつけば好きなことだけをしているはずなのに目的にしていなかったはずの売り上げもどんどん良くなっていってるのです。不思議。

こんなことを経験していくと大切なことは自分の気持ちに素直なこと。
社会の歯車になることは自分の気持ちに蓋をすることのように考えられがちだけど、自分の気持ちに素直になりながら社会の中で必要な存在になることだってできるんじゃないかな。気持ちに蓋をしないと成り立たないと考えていることってとても怖いことだとも最近は考えている。


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