sosoの素(39)
優しさは難しいけど愛おしい/中編
今我が家には小学生の子供が二人いる。こちらの言ってることも理解できるし、自分の意思を伝えることもそこそこできる。どんなに小さくても一人の人間として意思があるし好き嫌いもある。できる限り本人のやりたいように、したいようにさせてやりたいと思うからこちらのことを犠牲にしながらまだ一人では生きていけない子供って時間を楽しい時間として過ごしてもらいたいと思ってる。
自分たちの時間や気持ちに制限しながら懸命に関わってるからこそ約束したことを破られると腹が立つ。その度にそれが良くないことを説明して次からはしちゃいけないよと注意してまた信じる。それでも何度も約束して何度もそれを破られるもんだから腹が立つことを通り越して呆れて無気力になりそうになる。
この時に頭を叩いたり怒鳴ったりすればもう少し約束を守ってくれるのかもしれないし、こちらの気持ちが少し晴れるのかもしれないなんて頭を過ぎるけど、それは僕と子供の信頼関係が支配する方とされる方にかわってしまうし、僕の中での子育ての約束事の子供の時に子供らしい時間を堪能してもらいたいってことと小さいながらもズレが生じる。
僕が僕自身の決め事を破ってしまっているという矛盾を抱えるとどんな顔して子供を怒ったらいいのかわからないし、わからないから暴力や威圧に頼り切ってしまうんじゃないかという恐怖心も出てくる。
だから何度裏切られてもこちらは期待はせず信じつづけるしかできないし、その先にしか育たない心があると信じてやれるだけやってみようと思うのです。
お客さんとのやりとりでも同じようなことがある。
お客さんは自分の要望があるのでそれを僕に伝えてくれるけど、その伝え方が一方的だったりすることが稀にある。僕としてはお互い一緒に考えましょうねと思っていても「あれをこうして、これをああして」と自分の希望要望だけを羅列され、お金さえ払えばなんでもしてくれるんでしょ?みたいな空気で伝えてくる。そんな場合はこちらの状況や現実的な問題は加味せず自分の要望だけをぶつけられるから「んー」と困ってしまう。
他の業者さんだとその方が予算内であれば言われたことだけやればいいので楽だと思われることがあるかもしれないけど、僕の場合お客さんでは想像できない部分まで想像して、出来上がってそれがお客さんのお家に持って帰った時に一番いい状態にしたいから全部要望を聞いてから少し余談をしながら場を緩めてからこちらの意見をぽろりぽろりとこぼすように伝える。そんな感じで話していくと伝えなきゃって緊張感から解放されてかしこまった物言いからリラックスした本音の言葉を話してくれる。そんなことも僕の打ち合わせの喜びの一つ。
僕に何かを頼もうとしてくださる方とはゆっくり丁寧にしていくと必ずお互いの本当の言いたいことが言えるような状況になれると信じてて、ある人は初めましてですぐになるし、ある人は長く時間をかけながらゆっくり変わっていく。
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