1ヶ月ヴィーガンやってみた

筆者は2019年7月1日から7月31日までの1ヶ月間、ヴィーガン生活を体験した。この経験を通して考えたことを以下3点を中心にお伝えしたい。

1.ヴィーガンのメリット

2.ヴィーガンのここが辛かった

3.ヴィーガンが食べられるお菓子


1.ヴィーガンのメリット

 主だったメリットは大きく3つある。1つ目のメリットは美しく健康な肉体を手に入れられることだ。ヴィーガンをやる以上、必然的に食卓には野菜が多くなる。また、食品や製品を購入する前にその原材料、内容物を確認しなければならない。なぜなら、食品が少しでも動物性の材料を含んでいると、ヴィーガンはそれを食べることができないからだ。その結果、原材料や栄養素の表示を意識的にみるようになり、体に悪いといわれている人工調味料や添加物あるいは塩分や脂肪、糖を多く含む食品を避けるようになった(健康に気を遣うようになった)。これはヴィーガン月間を終えた現在(2019.11.7)でも続いているが、肌がきれいになり、髪の毛の艶が増し、体調が優れる。筆者はもともと痩せているため実感はわかないが、ダイエット効果もあると思われる。

 2つ目のメリットは味覚が研ぎ澄まされることだ。先に述べたように、ヴィーガンの食卓は野菜が大半を占める。1週間もヴィーガン生活を続ければ、野菜の甘味の強さに気づくことができるだろう。筆者はニンジンをスティック状に切ったものや、アボカドをすり潰したもの、茹でたジャガイモなどを好んで食べていた。納豆や豆腐のような豆製品は貴重なタンパク源なので毎日摂取していた。日を追うごとにそれらの食材本来の味を強く感じられるようになり、3日を過ぎたあたりから一切の調味料などを使用しなくなった。コンソメを使用しないスープなどにもはまった。

 3つ目のメリットはヴィーガンを理解できることだ。実は筆者がヴィーガン生活を始めた発端はここにある。「Twitterなどで炎上しているのをよく見かけるヴィーガンであるが、その実態はどのようなものなのか、どのような信念のもとに活動しているのか、知りたいから実際に体験してみよう。百聞は一見に如かずだ!」このような考えから筆者はヴィーガン月間を開始した。始めて二週間で筆者はヴィーガン料理のレパートリーを使い果たし、飽きた。食事に限らず、あらゆる面でヴィーガンは動物性製品の使用を禁じられている。毛皮のコートや革靴、馬毛のブラシなどがいい例だ。「なぜ彼らはヴィーガンを継続できるのだろう。何が彼らをそうさせるのだろう。」話を聞いたり調べたりする中で分かったのは、その理由は人によりけりだということだ。地球環境保護を目的とした、家畜反対(家畜の飼育には大量の水やえさを必要とする。また、牛のゲップに含まれる大量のCO2の問題などは看過できない。)という考えからヴィーガンをしている人、動物愛護の観点からヴィーガンをしている人、健康と美容のためにヴィーガンをしている人、そして、筆者のように他者を理解するために……これらの経験や感想は実際にヴィーガンをやらなければ得られなかっただろうし、ヴィーガンをやってその大変さを学ばなければ、彼らが真剣に自分の信念を達成するための活動をしていることを心の底から理解することはできなかっただろう。以上の理由から、筆者は1ヶ月間のヴィーガン生活に大いなる意義を見出している。


2.ヴィーガンのここが辛かった

 ヴィーガンをやっていて辛かったのは何といっても好きなものが食べられないことだ。肉はもちろんのこと、牛乳、卵、チーズ、バターやはちみつといった動物由来のあらゆる食べ物を食べることができなっかった。また、それらをわずかでも含む、使用している食品も同様に食べることができなかった。自ずと、食べるものは野菜や穀物、豆、豆製品に偏ってくる。料理のレパートリーは次第になくなるし、栄養バランスや献立を重視するとお金や時間がかかりすぎる。よって、生活水準を下げることなくヴィーガン生活を送るためには、それなりの資本が必要である。個人的に最も大変だったのはお菓子を食べられなかったことだ。クッキーや(準)チョコレート、プリンやケーキなどの多くのお菓子は大抵、牛乳や卵を使用している。確かに、現在では、ヴィーガンチーズやヴィーガンアイスのようなヴィーガンでも食べられるチーズやアイスが開発されている。以前よりもはるかにヴィーガンをやりやすい社会や環境が整備されつつあるといえるかもしれない。しかし、これらはまだ高価であるし、自分で作るには技術や時間が不足してしまう。


3.ヴィーガンが食べられるお菓子

 筆者はどうしてもヴィーガン生活中にお菓子を食べたくなった。そして、スーパーのお菓子売り場で原材料欄を見漁った。そして見つけた。卵も牛乳も乳製品も、一切の動物由来の原料を使用していないお菓子を。以下、おすすめの、ヴィーガンでも食べられるお菓子を紹介する。

・もち系(わらび餅、くず餅など)

・団子系(きび団子、みたらし団子など)

・大福、饅頭、最中

・かりんとう、こんぺいとう

・ようかん系(栗ようかん、芋ようかん、ういろうなど)

・せんべい

 和菓子の多くは動物由来の原料を含まないので、ヴィーガンでも食べられる。また、「こんにゃくゼリー」はゼラチン(動物由来)ではなく寒天(海藻)を使用しているため、ゼリーとしては例外的に、ヴィーガンでも食べることができる。

 また、ヴィーガンの宗派によっては砂糖の生成の際に石灰(さんご)を使用するため、砂糖は摂取しないという人もいるようだ。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?