「今は30円のクッキー」
靴磨き世界一周アフリカ編93日目
アフリカの大きな街に行くと、物乞いを
してくる子どもやホームレスに出くわす
ことが多くなる。
私はだいたいは何も与えることはなく、
その場を早歩きで立ち去ろうとする。
でも、その度に何か罪悪感というか、
やるせない気持ちになる。
これから自分はゲストハウスに行って雨風を凌げて、
蚊帳を下ろして蚊に噛まれない部屋で眠るくらい
の余裕はあるのに、あの子どもに何か少しでも
分け与えることはできなかったのかなぁと思う。
たまたま私は物乞いしなくてもいいスタート
ラインからこの人生をプレーすることができてるけど、
生まれた時から騒音が鳴り響く路上で生活してる
子どもも、特にナイロビでは多く見かける。
自分が逆の立場なら、通りすがりの
大人に物乞いをしてると思う。
そんな時に、先日お会いしたアフリカを
人力車で走っているガンプ鈴木さんと
マーケットに買い物に行った時のことを
思い出した。
大量のクッキーを購入していたので、
自分が食べるためだと最初は思っていた。
でも、それは物乞いをしてきた子ども達
にあげるためのクッキーだった。
「クッキーあげたら、すごい喜んでくれるねん。
俺も前までは物乞いが来たらちょっと嫌やなぁって
思ってたけど、クッキーをあげるようになってから、
喜んでもらうのが俺も嬉しくて常にクッキーを
ストックするようにしてるねん。」
と言っていた。
私もそれを思い出して、今日スーパーに
行った時に30円くらいのクッキーを5個
くらい買ってポケットに入れてた。
スーパーの前に座り込んでた子どもが
通りすがりの大人に物乞いをしていて、
以前の私のようにその大人達も足早に
その場を去っていった。
私はその子に近づいて、買ったばかりの
クッキーをあげたらニコッて笑いながら
「thank you」
と言って受け取ってくれた。
30円以上の物を受け取った気がする。
私は大きなものを与えることはできない。
でも、自分の与えられる、無理のない程度
のものは、たまたま巡り会った、もしかしたら
生まれる前に出会うことを約束していた人たち
にプレゼントしようと思った。
今は30円のクッキーが無理のなく、
自分があげられるもの。
なくならないようにストックしておこうと思う。
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今日のVoicy
「アフリカの中でも楽しみにしていたケニアに来た」
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