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「メルボルン最後の路上靴磨き」

靴磨き世界一周アジア編47日目

これがフリンダーズ駅前で最後の路上靴磨きだ。


と言いながら、早くも2週間が経った。


「この前最後って言ってなかった?」と
通りすがりの人にツッコマれることも何度かあった。


完全に難波の商店街で「閉店セール」と
言いながらパチモンのブランド品を売り続けて
捕まったお店と同じ戦法だ。

#嘘の閉店セールは違法らしい


が、おそらく昨日が本当に本当に最後の
フリンダーズ駅前路上靴磨きになった。


以前磨かせてもらったイケメン営業マン
の紹介で渋面の同僚営業マンが来てくれた。


彼らはコピー機や固定電話などオフィスで
使用する物を営業しているそうだ。


2人は友達でもあり、成績の順位を争う
良いライバルでもあるらしい。


イケメン営業マンが契約を取って帰ってきた時に
「昨日靴を磨いてもらったからええことあったわぁ」
と喜んでいた。


それを聞いた渋面営業マンが興味を持ち、
場所を聞いてわざわざ来てくれたのだ。


靴を磨いた後、履き主にどんなことが
起きたのか基本的には分からない。


でも「良い所へ連れて行ってやぁ〜」と
思いを込めて一足一足磨かせてもらっており、
こうしたハッピーな事後報告は嬉しい。


こうして紹介を通じてまた靴を磨かせて
もらえることもまた嬉しい。


渋面男性が聞いてきた。
「今現金持ってなくて、Pay ID〔送金システム〕で
お金払ってもいい?」


総将
「あー俺それやってへんねん。
今日はメルボルン最後の靴磨きやし、タダでええで」


"靴磨きでお金いただけたらラッキー"くらいの
気持ちをベースにおいてるので、時に現金を
持ってない人には無料でも磨いてきた。


目的は"世界を足元から輝かせること"だからだ。


渋面男性
「いやぁそれはさすがに申し訳ない。」


総将
「ええよ、メルボルンの人々にはいただき
すぎるほどもらってきた。これはプレゼント
させてよ。最後の日やし。」



渋面男性は「ちょっと待ってて、現金を
捻出してくる」と言って立ち上がった。


何をするんだろうと思っていると、
「今靴磨きしてもらってるんやけど、現金
持ってなくて、あなたにお金送金するから
現金持ってたらくれないか」と通りすがりの
人に聞き出した。


さすがはトップ営業マン。


一発でその交渉に成功し、靴磨きのお代も
払ってくれた。


これだけでは終わらない。


渋面男性の靴を磨いてる時に、中国人
の男性が気になって見ていた。


私は靴磨きをしているときは目の前の方に
全集中したいので、向こうが話しかけてくる
まではこちらから話さない。


それでどっか行かれても、タイミングが
合わなかったと思うようにしている。


すると渋面男性がその中国人に話しかけた。

「靴磨きいいよ。俺の靴すっごく汚れてた
けどたった数分で見違えるほど綺麗になってる。」


中国人男性
「俺もやってもらおうかなぁ。
いや、でもまた今度にするわ。」


渋面男性
「今日が最後らしいよ。今日磨いてもらわないと
絶対後悔するよ。あんたも気になって足を止めた
のなら、絶対に磨いてもらった方がいいよ。」


中国人男性
「ん〜じゃぁお願いしようか」

と言って、渋面男性の靴磨きが終わるまで
待っててくれた。


さすがはトップ営業マンすぎる!!


代わりに靴磨きの営業してくれた。


話術や言い回し、一度断られてからの粘り。


学ぶことばかりだ。


たった数分の時間だったけど、彼はとても
優秀な営業マンだということは分かった。


彼のように靴磨きを1人でも多くの人に届けられる
ように営業も学んで実践していかねばと思った。


とりあえず、"閉店セール戦法"は営業として
今後も使っていこう。


#お前も捕まれ


フリンダーズ・ストリート駅前では100足を
超える靴を磨かせてもらった。


ここでいくつもの物語が生まれたし、友達もできた。


ありがとうフリンダーズ・ストリート駅

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