「vsスイス警察官」
靴磨き世界一周ヨーロッパ編87日目
ジュネーブで路上靴磨きをしていたら、
大きな影が3体私の前に現れた。
「ここで仕事をするための許可証は
持っているのか?」
どうやら彼らはスイスの警察官だった。
彼らはヘルメットにグローブ、防弾チョッキ
を着用しており、いつでも戦う準備はできている
と言った格好だった。
「いや、持ってないです。」
「だったらここで仕事してはいけない。」
「いや、これ仕事じゃないですよ。」
「じゃあ君は何をやってるんだ?」
「靴磨きです。」
「仕事じゃないか。」
「でも、ほら、看板見てください。」
臨戦対戦のスイス警察官はフランス語で
書かれている看板を読んだ。
"靴磨きを通して世界を足元から
輝かせる旅をしております"
「ただ喜んでもらうために靴磨きをしています」
「仕事じゃないのか。分かった」
と言って去っていった。
耐えた。
こういうやり取りはスイス以外でも
よくやっていることだ。
路上靴磨きの際に使用している看板には
金額のことは書いていない。
本当は書いた方が分かりやすいので磨ける
確率も高くなると思うが、それを書いてしまう
と"仕事"として捉えられて、警察官の注意に
逃れられなくなる。
「How much?」
と質問された時に
「Up to you〔あなた次第です〕」
と答えている。
実際には10円お支払いする人もいれば
1万円払う人もいるし、全く払わない人もいる。
あくまで、"あなた次第"という形を
とっているので、仕事ではないという
スタンスをとっている。
#言ったもんがちな所はある
「それでもお金もらってるんだから仕事やん」
と、
第三者を論破することに快楽を得ている人は
鼻息を漏らしながら言ってくる。
#あくまで私のイメージです
その時に、
「おじいちゃんの肩たたきして、
ありがとうって言われて、お小遣い
もらったらそれは労働ですか?」
と返答したらだいたい泡を拭いて気絶します
#これに関してはお小遣いの金額とケースによるらしい
これを人はグレーゾーンと呼ぶのだろう。
私はおそらくそれが原因でシンガポール
が出禁になっている。
#疑わしきは罰する国
#平和な北朝鮮と言われてる
#シンガポールにはまた行きたい
ただ、地元の警察からしたら私がどうしようが
別に給料やポイントが上がるわけじゃないので
正直どっちでも良くて、
「ややこしいことが起きた時に
責任を問われたくない」
ということが本音だろう。
だから警察官を論破しようとすると
論破されてしまうので、対立関係ではなく
むしろ俺たちは仲間だよという謎のスクラム
を組みに行く。
「いつもお疲れ様です。
私はただ靴磨きして、喜んでもらいたいんです!
迷惑かけないので、今日だけやらせてもらえない
でしょうか?」
と丁寧に説明すると、
「なんかよく分からないけど別に労働
してるわけでもないし、騒音で迷惑してる
わけでもないし、まぁええか」
と思って去ってくれることが多い。
これが物を売ってたら言い逃れできなかっただろう。
歌や楽器を使うと騒音だとか言われる。
我ながら"靴磨き"とはちょうどいい所に
目をつけたなぁと思う。
#弱いことが強みになっている
ちなみに、それでも「ダメだ」と言われた
時はゴネずにすぐに立ち去るようにしている。
#靴磨きトラベラーなりたい人ここテストに出ます
#そんな奴ら地球人に現在2人しかいないだろ
話を戻すと、スイスの警察官は
「頑張れよ」と言って去っていった。
しかしその後ろ姿に腰を抜かしそうになった。
"スイスの警察官ローラースケートで移動しとる!!"
#その方がどないやねん
#だからヘルメット被っとんかい
そんなこんなで、今日も靴磨きを通して
喜んでもらうために、そして自分自身が
スイスという物価高の国で飢え死にしない
ために靴を磨いてます。
PS東京オリンピックのアーティストが過去にグレーゾーンなことしてたという理由で本番直前に国から仕事をキャンセルされた報道を見た時に私は一生国のありがたい仕事はできないと思った
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靴磨き世界一周ヨーロッパ編中間報告会
日時:8月25日【金】20時〜
視聴方法:zoom
参加費:3,300円
↓詳細、申込はこちらから