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103万円の壁と(106万円、130万円)の壁の違い

日本国民からすると、最低賃金を毎年50円ずつUPさせている。東京都だと約5%UPということです。だったら壁も103万円の5%UP108万円って感じでスライドさせるのが筋ですよね。このあたり、財務省や自民党の税調が、「今まで見て見ぬふりをしていた」ってことです。そこで少数与党になったとたん、議論を始めています。地方公共団体が軒並み「税収減るよ!!!」って連呼している。暗に反対しているわけです。

ここからは私の私見ですが、
103万円の壁は「もっと高い壁、例えば178万円」に建て直すでOKかと。その減る税収は国会議員が知恵をだして無駄をカットすれば良い気がする。(財源分からないので無責任ですが・・)

私の専門領域の106万円、130万円の壁は、壁を建て替えするのではなく、撤廃で進めて欲しいところ。106万円の壁は社保加入の従業員が51人以上いる会社は週20時間以上働くパートやアルバイトは社会保険を加入させる義務が生じています。しかし、130万円の壁は50人以下で働くパート等は週30時間未満なら社会保険料(健康保険、介護保険料、厚生年金保険料)を加入させなくて済むわけです。働く会社の企業規模で条件が異なり、不公平感があるわけです。国が中小零細企業に配慮した特例となっています。

今、国民民主党やテレビなどは「手取り」の話が中心です。国民個人としては、税金は国がどう使っているかわからないので、支払額は最小に抑えたいというモチベーションは理解できます。
しかし、社会保険に加入した場合の手取りの減りは、将来的な自分の年金額の増加や健康保険の傷病手当などのメリットがとても大きいことをあまり語られず、「手取りが減る!」話ばかりです。だから、その減った分を助成金等で補填する必要はないわけです。本人にメリットがあるのに何で補填するのですか?おかしな話です。

今後、106万円、130万円の壁が撤廃されると、暇つぶしで働く人とガッツリ働く人の二極化が起こります。私はこれで良いと思います。それと大手企業の扶養手当など経団連で撤廃の動きを示して欲しい。その数万円扶養手当があることで、配偶者(特に主婦)が働き控えをしなければならなくなる。本当はスキルも能力もあるのに、実力を試せる場がない人が結構います。

これだけ労働力不足が叫ばれる世の中ですから、大手企業も前向きに協力し、中小企業は社会保険料負担が増大する分、生産性や効率をあげるDX化に取り組み、収益力を向上していく施策を打っていく必要があります。また、人事戦略を真剣に考えておく必要があります。アルバイトを正社員化していくのか、それとも20時間未満のアルバイトをたくさん抱え込むのか?それほどたくさんのアルバイトを雇えるほど人がいないわけで、だったら人事制度を変えて準社員制度や短時間正社員制度を導入していくことが求められます。結局、経営者のちょっと先読みする勘所が大事です。

総選挙で自民党が負けたことで、日本は良い方向(本来の改革を実行に移せる意味で)に進むことを期待しています。

2024-11-20
東京中央給与計算センター

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