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トレーシングペーパーを使う

やたらと長いプロローグ


 以前、部屋の掃除をしていた時、あるものを見つけて、頭を抱えた。目の前にあるのは、トレーシングペーパー。かつて、Toolsさんで見つけて、「使えるかも」と思って、勢い余って購入したものだった。

 1枚、紙を手に取り、1人ごちる。どうすれば、このトレーシングペーパーをうまく活用できるのだろう。透かしてみたり、色んな柄を眺めるが、考えがまとまらない。
 さて、どうしたものかと考え、たまたまイラストを描いていた時に、ハッと気づいた。

 ……これだ! たまたまこのイラストを描いて、背景をどうするかで悩んでいたところで、ひらめいた。トレーシングペーパーを使えば、良い感じの背景になるのでは……と。善は急げ。早速、取り掛かった。

トレーシングペーパーを使ってみた

 下準備として、人物と枠以外余白の部分は、カッター等で全て切り取った。そして、この時の私は、「トレーシングペーパーを使うんだから、絵画とまではいかないけれども、枠みたいなものを作れば、良い感じなのでは……?」と思い、枠を作ったのだ。
 その後、絵の後ろに適度に切ったトレーシングペーパーをぺたりと貼り、試しにスキャンをしたところ、頭を抱えてしまった。

 スキャンしたら、一気に背景が暗くなった……だと……!?(ざわ……)
人物がどんよりした表情なら、まだ分かる。しかし、誰がどう見たって、笑顔じゃないか。しかし、ペイントツールで加工すると、予想に反して、とんでもない結果になる。それだけは防ぎたい。
 
悩みに悩んだ末、私の目の前に、ある者が飛びつく。それは、1枚のコピー用紙。これを重ねることで、背景が明るくなるのでは……!? と、藁にも縋る思いで、重ねた後、もう1度スキャンをした。

 いい感じ、ものすごくいい感じ! 背景が明るくなったことで、この人物の表情と合うのではないだろうか。最初にスキャンをしたものと見比べて、使う予定の色を確認する。うん、2回目にスキャンをしたものにしよう。そうして、コピックで着色をした。

そして、完成する。

 コピックで着色した後、イラスト+トレーシングペーパー+コピー用紙を重ね、再度スキャンしたところ、このようになった。

 透かし要素のあるトレーシングペーパーの後ろに、コピー用紙1枚重ねるだけで、色が鮮やかになるのか……! 絵を完成したこと、そして画材として新たな発見に繋がったのは、私にとっていい経験だった。
 トレーシングペーパーを背景として使うのは、悪いことではない。これを使えば、服の絵柄として利用できるし、トレーシングペーパーでなくても、柄のついた用紙を重ねても、いいのでは……? そう考えると、あれこれやってみたくなるのが、創作を長くやってきた身として血が騒ぐ。次に新規のイラストを描く時、柄入りの紙を用いてもいいかもしれない。

まとめ

  • 柄のついたトレーシングペーパーや紙を、背景や服の模様として使う

  • カッターなどで余白部分などを切り抜く必要がある

  • トレーシングペーパーをスキャンする時、暗くなるので、
    その後ろ白い紙を付ける等、配慮が必要

 あくまで個人の見解のため、柄のついたトレーシングペーパーや紙を、イラストで他にどうしようしているか分からない。しかし、1つの材料で、色んな活用法があると思う。時間がある時に、少しずつではあるが、画材研究をしたい。