「推し」

私にとって人生初の「推し」なる存在、それが星野源さんである。
星野源を認知し、私の推しと化したタイミングは2016年冬だ。そう、社会現象を起こしたドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」がきっかけだ。新垣結衣演じる森山みくりと、星野源演じる津崎平匡が、契約結婚する話。(ざっくり)
2016年冬、私は中学受験をした。公立の中学校に行くのがどうしても嫌だった私は、大学の附属中学校を受験することになった。
受験勉強をしているうちは、好きなテレビを見ることもできない生活だった。12歳にしてはなかなか酷な生活である。そんな中、同級生と親から小耳に挟んだ、「『逃げ恥』というドラマが面白いらしい」という噂。そしてそのドラマの主題歌の「恋」という曲が流行っている、という噂。私はなんだか逃げ恥に惹きつけられるものがあった。早く受験を終わらせてドラマを見たい、と思った。
そして2016年12月某日、受験を終え、録画していた逃げ恥を1話から見始めた。この日こそ、私の人生のターニングポイントである。
なぜかはわからないが、テレビの中にいる眼鏡をかけたその男性、津崎平匡は、当時12歳女子の中の「好き」というストライクゾーンをガッツリと撃ち抜いてきた。そして、今まで「SUNを歌ってる人」としか認識していなかった「歌手・星野源」という存在と、画面の中の「役者・星野源」が、点と点がつながって線になった。要するに、一目惚れ、である。
私はその日中に10話くらいまで逃げ恥を一気見した。なんて面白いストーリー。なんと個性豊かなキャラクター。そして、主題歌の曲があまりにも良い。とても良い。
私はすぐさま親に、クリスマスプレゼントとして「恋」のCDをねだった。そしてウォークマンに取り込み、狂ったように聞いた。
星野源のことをもっと知りたい。この人の全てが好きかもしれない。そう思った私は、親のiPadをこっそりと借りて、Twitterや YouTubeで星野源について調べた。
12年間の人生の中でこんなに一つのことに熱中したのは初めてだった。調べていくうちに、星野源という人間像、過去のこと、彼の音楽、その全てに魅了された。
こうして星野源は、私の「推し第一号」になった。

あれからかれこれ6年が経つ。この6年、振り返れば私の思い出にはいつも星野源がいる。貯めたなけなしのお小遣いで星野源のCD BOXを買ったり、MIU404というドラマに人生を捧げるほどのめり込んだり、星野源ファンの友達ができたり、最愛の結衣ちゃんと源さんが本物の夫婦になったり…
(MIU404のことは語らせると長いので別記事へ)
源さんのおかげで、音楽の素晴らしさを知った。源さんのことを好きになっていなかったら、私は音楽なしの人生を送っていたことだろう。いや、星野源がいたから今日までなんとか生きている。中学受験、高校受験、大学受験、すべて星野源のおかげで乗り越えられた。源さんにとってはクソほどどうでもいいかもしれないが、源さんは私の命の恩人なのだ。
6年経った今、わたしは好きなアーティストが山ほど増えた。でも、どんなに他のアーティストの楽曲に浮気しても、星野源の曲を聴くと、実家のような安心感がある。どこか、心が落ち着く段階に入る。そして、星野源の演技が、星野源の書く文章が、いつまでも大好きだ。
2016年から6年間、彼の応援をし続けているが、地方に住んでいることもあり、一度もライブに足を運んだことがない。けれど、高校で出会った星野源ファンと一緒に、8/19のサマソニに行くことになった。星野源が丸ごと一つのステージをキュレーションするサマソニ。彼のやることは規模も違えば予想もいい意味で裏切ってくる。
この先何年経っても、星野源のファンであることを誇りに思う。源さんは、私の神様です。

#星野源
#逃げるは恥だが役に立つ

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