NaClくん

すまない。衝動的に取得したアカウントなので何も考えてないんだ。すまないな。

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最近の記事

なんとなくのやる気が出てきたらですが、スキをいっぱい貰えたお話の続きを投稿できたらしたいな、という気持ちです。

    • くるくるツーデッド!

       ここは葬儀場の一角にある、親族用の待合室だ。一人で居るせいと、場所が場所なだけあって酷く静かに感じられる。備え付けの急須でお茶を啜ってぼんやりしていると、ノック無しで無遠慮に引き戸を開けて友人の飛鳥が入ってきた。 「この度はお悔やみ申し上げます。しかし元気そうだね、来栖ちゃん。」 「まぁね。自分で"自分"の葬式を仕切る程度には元気だよ。」  数日前の事だった。数週間の出張のち、事務所に帰ってくると"私"の死体が転がっていた。警察に通報し遺体を調べてもらったところ、顔とか

      • 裏庭の魔王

         穏やかな木漏れ日の中を歩いていた。ついこの間まで遠慮がちに芽吹いていた草木が青々と茂り、早くも夏の様相を見せている。森の中は湿気があるせいか若干蒸し暑く、額にじわりと汗をかいていた。  しばらく進むとふいに木々が途切れた。目の前に花畑が、否。咲いてる花に規則性がある、これは人の手が加えられた庭園だ。美しく鮮やかな花々が咲き、風に吹かれて蝶や花弁が舞っていた。  更に遠目には依頼書にあった通り古びた屋敷が建っている。しかし、人が住まなくなってから随分経っていると聞いたが、こ

        • 青空と地を這う虫

          「さようなら、×××さん。」  そう言って突き立てたナイフの感触を今でも覚えている。流れ出た黒い血の色も。  見上げると吸い込まれそうな程、青く透き通った空だった。寒さと乾燥がいよいよ本格的な冬が訪れるのだと感じさせられる。  退院してすぐに向かったのは殉職した仲間の墓だった。死人に興味はないが、生きてるうちに受けた恩に対する義理くらいは果たしておきたいと思ったのだ。  墓の前まで来ると若い女性が一人立っていた。なかなかの美人だなと思った。軽く会釈をすると向こうも会釈を返す

        なんとなくのやる気が出てきたらですが、スキをいっぱい貰えたお話の続きを投稿できたらしたいな、という気持ちです。

          Living dead with smoker

           こんな雨の日には気分も暗くなる、土砂降りの中そんなことを思った。暗い森に黒い空、雨音。ヘッドライトの灯りとオレの土を掘る音があたりの静寂を害している。雨のせいもあり気温は高くない、むしろ肌寒いくらいだが、作業をしているとどうしても暑くなってきてしまう。加えて湿気があるせいで蒸し暑くて仕方がない。  そろそろ休憩すべきだろうか。 『昔、ここにタイムカプセルを埋めたんだ。僕が死んだら代わりに掘り返してほしい。』  数日前、親友が意味深な言葉を残して本当に死んでしまった。警察に

          Living dead with smoker

          恋と魔法少女と異星人の触手

          「望月さん、貴女が好きです!付き合って下さい!」  俺の名前は佐々木聡。人に言えない秘密を抱えているが平凡な男子高校生だ。程々に顔が良くわりとモテる俺だけど、生まれて初めて真剣に告白をしている。相手はミステリアス美少女転校生の望月さん、所謂一目惚れだ。  望月さんは少し驚いたようだが、すぐ凛とした表情に戻る。可愛い。 「すまない、君の想いには応えられそうにない。実は…私は宇宙人なんだ。」  ずるりと粘着質な音を立ててグロテスクな臙脂色をした触手らしき肉塊が望月さんの背中

          恋と魔法少女と異星人の触手

          英雄は死んだ

          「追え、追え!捕まえろ!殺しても構わん!」  小さい二つの人影が路地裏を走っていた。それを追うのは犬の頭をした5体の獣人たち。幼い姉弟は程なくして袋小路に追い詰められた。 「お、お願いです……弟だけはっ、見逃してください……!」  弟を庇うように抱きしめた姉が懇願する。二人は目の前の化け物に恐怖し、震えて泣いていた。 「駄目だ。E-0643-01、E-0644-02、両者とも脱走の意思を持つ有害個体と見なし処分する。」  冷酷な宣言と共に獣人たちは手に凶器を持って近

          英雄は死んだ

          ふだん非生産的な人間のせいで、スキされると普通にドキドキする…なんかやる気湧きそう……

          ふだん非生産的な人間のせいで、スキされると普通にドキドキする…なんかやる気湧きそう……

          霧島啓二の長い一日

          突然、がんと大きな衝撃がして、体全体が前のめりになった。胸元がシートベルトに押さえ付けられはっと気付く。踏みかけのブレーキを強く踏みなおした。 「やっちまった……」 フロントガラスの目の前に、超至近距離に、真っ黒いワゴン車が停まっていた。 予想外の出来事に、真っ青な顔で混乱した思考のまま、凍りついたようにハンドルを握って座席から動けないでいた。 しばらくするとワゴン車の助手席側から、作業着の男が一人出てきた。 自分の車の助手席の窓を軽くノックしてきたところで、金縛りが解けたよ

          霧島啓二の長い一日