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霧谷と思考実験!「テセウスの船」
こんにちは、霧谷 海兎です。2020年8月12日現在で22歳、明日で23歳になります。この23年間、随分と目まぐるしく変化しました。自分自身も社会も。自分に関して言えば、大人しく失敗しないことを是としていた性格は見る影もないです。と思う一方で、トマトとかピーマンとかまだ苦手です。明日からもトマトとピーマンが苦手な23歳児です。食の好みもそうだし、性格も根本的な部分はあまり変わらない気もします。昔の話とか親から聞くと、覚えてないけど自分やりそうだな~とか思ったり。時間が流れても自分は自分だという実感があります。
今回はそんな存在の同一性のお話。今回もお題は「100の思考実験」(紀伊国屋書店)からお借りしています。外出自粛が続くなか、あなたの思考のおともにいかがでしょうか。
(今回から重い腰を上げて前々から言ってたアマゾンアソシエイトのリンクを導入してみました。1人500冊ぐらい買ってください)
今回も文章は少し変えています。
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犯罪請負人のレイ・ノースはかの有名なテセウス号を盗むという依頼を受けていた。この船はイギリスの新聞王ルーカス・グラブが身投げし、最近ではロサンゼルスのラップ歌手ダディー・アイス・ティーが殺された舞台となったことでも知られていた。
修理を終えたばかりの船が置かれているドックに来てみるとまったく同じに見える船が2つ並んでいる。レイは警備員に銃口を向けてこう言った。
「命が惜しけりゃ、どっちが本物のテセウス号か白状するんだな」
警備員は
「どっちとも言えません」
「この船を修理しはじめると、船体の木材をたくさん取り換える必要が出てきたんです。もちろん古い木材はすべて残しておきました。しかし、結局ほとんど全部取り換えることになってしまって、誰かが取り外した古い木材を使って、もう一隻同じ船を造りなおそうと言ったんです。それで2隻になったというわけです。左が新しい木材を使って修理したテセウス号、右側がもとの古い木材を使って復元したテセウス号です」
レイは
「で、どっちが本物のテセウス号なんだよ?」
と詰め寄ったが警備員は
「知ってることは全部言いましたよ!」
と叫んだ。レイは頭を掻きむしり、なんとか2隻とも盗んでいくことはできないかと考え始めた。
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人間の身体も細胞単位で日々生まれ変わっています。物理的にも入れ替わっていますが、思考や記憶、性質も時を経るごとに変わっています。身体の大部分が変わってしまって、考えることもまったく変わってしまったとして、それは同じ自分なのでしょうか?
みなさんはテセウスの船について、どちらが本物だと考えますか?
明日のあなたは、今日と同じあなたなのでしょうか?
おわり
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