5月のはじまりに想うこと。
今でもまだ、抱きしめられなかったことを後悔する日がある。
あの時、抱きしめることができていたら、今、私たちは、どんな未来を描いていたのだろうと思うことがある。
触れるだけでは、そっと手を添えるだけでは、癒すことのできない感情の瘡蓋がある。
最後にふたりで手を重ねた画を見ては、そのとき心に溢れ出ても伝えることのできなかった言葉たちが、まさにその日に戻ったかのように、自分の心の中をぐるぐると駆け回る。
目の前にいる人を大切にしたい。
抱きしめたかった。
離したくなかった。
新しい月を迎えるたび、一番に溢れる想いは、「今年のこの月も一緒に迎えるはずだったのにね」ということ。
これから季節は夏へと移ろいでいく。
はじめて迎える、ひとりの夏。
あなたはまた新たな歳を迎える。
今日、また一つ、夢を見つけたよ。
きっとあなたが喜ぶ夢。
だからまた会いに来てよ。
わたしは変わらずここで夢を叶える準備をしているから。きっとひとりで。きっとあなたが会いに来てくれることを信じて。
まだ受け入れてないからね。
この諦めの悪さを許してほしい。
それが最後のワガママです。