![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/144900331/rectangle_large_type_2_c455846ddf1f123f97b472a62faf83f4.png?width=800)
ハイブラのイケメン店員を通じてホストに沼る女の気持ちを察した話
先日、某ハイブランドの店舗に赴いた。完全に暇つぶしで特に何かを買う気は無かった。つまりは冷やかしだ。
丁寧な接客をしてもらっても購入できる資金源がないしがない中流の庶民であるため、適当にひとりで見て回って目の保養してスッと去るつもりだったのだが、入った瞬間に入口に立っていた男性店員に声を掛けられた。
この人がまたとんでもないイケメンだった。モデルとか若手俳優とかアイドルに混ざっていてもおかしくないレベルでイケメンだった。びっくりしてガン見してしまった。
イケメンぶりにあっけにとられる私に、彼は輝くスマイルで名刺を渡してきた。
どうもブランドにもよるようだが、特定の店員の接客によって購入したという実績が積み重なると、その店員はその顧客の「担当」となる。名刺を渡すというのは、もし購入する気になったらこの名刺で指名してね、という担当候補になることのアピールであるようだ。
そういう制度(?)があることは知っていたものの、小売店で店員から名刺受け取ることなんて他ではないから、実際遭遇すると一瞬びっくりしてしまった。庶民丸出しである。
前述のとおり私はひとりでひっそり見て回るつもりだったが、イケメンはそんなことなど知らないので積極的に接客してきた。彼は配属されたばかりで実習中らしく、そのとき他の客がほとんどいなかったため、私は接客の練習にちょうどよかったのだろう。
しかもイケメン、センスが良い。特に見るものを決めていなかったのだが、イケメンが持って来たハンドバッグがとても私好みだった。私が資産家だったら間違いなく即決で買ってた。
さらにはちょうど入荷していたらしいジュエリーも紹介してくれた。
ちなみに、ジュエリー紹介のタイミングから参加してきた女性店員もとんでもない美人だった。ジュエリー自体ももちろん美しくて、ジュエリーとイケメンと美人というあらゆる方位からくる美に圧倒された。
買う気ないので内心申し訳なさMAXだったのだが、「ぜひ試着だけでも」の言葉にホイホイ乗せられて指輪を試着してみた。
イケメン、褒めるのもうまい。「これ似合うと思ったんですよ!」とにっこにこの笑顔で言うし、外した後いくつか見比べていたら「これもう一回つけてみてくださいませんか?とっても似合ってたので、僕がもう一回見たいだけなんですけど…」とか。
そういう誉め言葉マニュアルがあるのかもしれないが、言われて悪い気はしないな。
しかも美人と、さらにもう一人登場したベテランっぽいカッコいい女性もこぞって褒めまくってくれて、私が身につけている物やネイルも一つ一つ具体的に挙げて褒めてくれて、とにかく気分が良かった。
ただ、もしかすると金銭的に余裕があると誤認させていたかもしれないということに後日気づいた。
というのも、その日つけていたリングがぱっと見ヴァンクリのリングに似ていたのだ。その時は自覚がなかったのだが、これによく似ていた。
![](https://assets.st-note.com/img/1718883367050-Znb1WoHUMW.png?width=800)
Van Cleef & Arpels公式サイトより
https://www.vancleefarpels.com/jp/ja/collections/jewelry/perlee/vcarp4e200---perlee-diamonds-ring-1-row.html
これ、本物であれば130万円超。私が日常使いしているわけがない。
見間違い勘違いだとすれば、イケメンと美人に無駄に期待させてしまったことになる。重ね重ね申し訳ない……。
その日の私はその後能天気に気分よく帰宅したのだが、冷静になってみると、これっておそらくホストに沼り始めた瞬間の女の気持ちと同じなんだろうなと思う。
ラグジュアリーな空間でイケメン含む輝く大人にたくさん褒められて煽てられて、自己肯定感を挙げられる。そしてイケメンの成績に結び付くのは顧客が落とす売上。
店は売上を獲得するために、顧客を褒める技術を磨くしマニュアルだって整備。顧客が店に来てくれるよう、担当という概念を作ってLINEなどで連絡。
これ、ホストでも同様では?
私はホストに行ったことが一度もないが、SNSで沼ってる女の様子を見る限り、たぶんそこまで間違った認識ではないと思う。
ラグジュアリーな場で心から楽しめるのは、それ相応の資金を余裕をもって用意できる人だと思う。なけなしの資金では続かない。続けようとすると何かしらで無理をせざるを得ない。
まさかハイブランドの店でホストに沼る女の気持ちを察するとは思っていなかったのだが、身の丈に合った購買行動をしようと思った。あと営業のための振る舞いにガチ恋する痛い女には絶対にならないようにしようと襟を正した。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?