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いかにして中学校で「総合」に横断的にするか。

中学校において教科等で何を学んでいるかを具体的に最も知るのは生徒である。
だから、中学校において年間指導計画等で教師が関連付けようとすることよりも、生徒自身が関連に気付ける手立てを考え、生徒の気付いた関連により、教師が関連に気付き、それを年間指導計画等に反映させていく方が現実的である。
しかし、前回触れたように村川先生の指摘する「子どもの認識レベル」で関連付けるためには、教科等の授業でどのような活動や内容の学習をしたのかだけでなく、生徒が自らの学びを俯瞰し捉える必要がある。学びを俯瞰し捉えるとは、何を学んだのかを自覚し、俯瞰し、価値付けるということである。その上で教科等と総合的な学習の時間を関連付けて「子どもの認識レベル」で関連付けたといえる。
その営みを支えるには、手立てとしてのツールを作るべきであると私は考えた。 生徒が学びを俯瞰し捉えることを支える手立てとしてのツールはどのようなものでなくてはならないのであろうか。そのツールは生徒が学びを自由に書き込み、総合的な学習の時間と教科等を関連付けられるように教育課程全体を一体のものとして感じられるものである必要がある。そして、そのツールを通して、生徒が何を学んだのか、何を学んだと捉えているのかを教師が知ることができるなら、中学校において大きな価値を生み出すものとなる。総合的な学習の時間を指導する教師が自分の指導していない教科等で生徒が学んだことが生徒の目線で分かるからである。つまり、そのツールは生徒が学びを俯瞰して捉えられるという機能だけでなく、生徒と教師が教科等との関連を意識するためのコーディネート機能を併せもつと考えることができる。

つまり、次の四条件をもとにツールを考えたい。
条件A 学習者が学びを俯瞰して捉えられる
条件B 学習者が教科等の教育課程全体を一体のものとして感じられる
条件C 何に生かすのかが明確になっている
条件D 学習者が教科等の関連を自ら書き込みながら思考できる

上記四条件を基に作成したものを、「学習コントローラー」と呼ぶことする。

次回に続く。

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