シェア
かちゃりと音がした。細い光線が隙間からゆっくりと顔をだして左足の小指をなぞって照らしだし…
鏡の前にたって自分の顔をみつめてみた。自分を自分の目でみることはどれだけがんばってもかな…
とたんに視界が歪んで鏡の中の背景が変わった。いつもの私の部屋だった。きっと夢だったんだろ…
ここから先に進むためにはどう軌道を描けばよいのだろう。いくつも線を描こうと手を動かすこと…
香りに包まれて1日は始まる。あくびをして飛び出てきた目玉焼きをうけとって、コーヒーと、お…
(とりあえず、近いでしょう。) わたしは彼をこんなに近くでみたことがない。脳内真っ白にな…
目が覚めるとみたことがない天井だった。真っ青なシーツの向こう側にきれいに陳列されたCDラックが視界に入った。 「おはよう」 誰だろう、頭の上から私に声をかける人がいる。ベットでいる時間に誰かから声をかけられる生活など送ったことのない私はその事実にびっくりした。まだ目がさめてないのかしら。 「めずらしいなぁ、こんな時間まで寝てるなんて」 どういうことだ。声に心当たりがあるのだけど、いやいやまさかそんなはずはない。振り返ってみることも怖い。 「調子でも悪い?」 その人はベットに腰
理由も記憶もないけど、金の鍵が手の中にあるという事実は変わらないのだから目の前にある鍵穴…
目の前にある扉は古びた鈍色をしている。木なのか、鉄なのか、柔らかいのか硬いのかは触ってみ…
今ここにいるわたしは、ここから抜け出す具体的な道や方法を知っている。切符やチケットを手に…
いつもここではないどこかにいるわたしを空想していた。図書館の本棚にもたれかけて座りこみ、…
どこに向かうのかはわからない。左手のひらで光をうけとめるとそこだけぼうっと明るくなった。…
古ぼけた街灯は光量が増減を繰り返し飛び交うユスリカたちを照らしている。ふとユスリカの影を…