てんとせん−3

いつもここではないどこかにいるわたしを空想していた。図書館の本棚にもたれかけて座りこみ、赤毛のアンや若草物語、トムソーヤの冒険や、長靴下のピッピを読んだ。まだみぬ世界を覗き見ては、いつかそんな世界にいるときのことをおもっていた。そうやって今をすごした幼少期のわたしはここではないどこかへつながる道はただひとつで迷うことがなかった。

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