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航空大学校に落ちてしまった人へ

ツイッターを見ていたら、航空大学校の合格発表があったようで、喜びの声がたくさん流れてきました。

何次にもわたる厳しい試験を乗り越えて、合格を勝ち取ったみなさん、おめでとうございます。これから大変なことがたくさんあると思いますが、是非、空を飛ぶことを楽しむことを忘れずに、パイロットへの道を邁進していただきたいと思います。

一方で、今回は涙をのんだ人もたくさんいると思います。お疲れ様でした。私は航空大学校の入試を受けたことはありませんが、社会人をやりながら自社養成に2年間挑戦してダメだった経験があります。たくさん準備をして、自分の全てをつぎ込んでも、どうにもならないことがある。そういう現実を突きつけられるのは、厳しいものです。

しかし、航空大学校に入れなかったことが、パイロットとして不合格というわけではありません。日本では、とかく「不適格」とか「不合格」とかネガティブな言葉が使われがちですが、それは、あなたの人生や人格を否定できるほど、本質的なものではないはずです。そこを間違えてはいけません。

どんな形であれ、あなたがここまでやってきた努力は100%正しいし、誰にでもできることではないし、誇るべきことです。

ですから、決して一時のスナップショットである合否結果をもって「自分はパイロットには向いてないんだ」と見切りをつけないでほしい。それは、やってみなければわからない。合格を100点として、自分には何点足りなかったのだろう、と考えるのではなく、今回の経験で、以前の自分に何点加えることができただろう、と考えるといいと思います。

悔しがりつつ前に進むためには

そうはいっても、悔しいものは悔しい。わかります。これだけたくさん準備して、時間とお金と集中力をつぎ込んだのですから。どこかで何かを間違えたかのような、大きな魚を逃したような、そんな気分になっているかもしれません。ここからが本番だ、と言われてもすんなり切り替えできるものではありませんよね。

悔しい気持ちを否定たり、押し込めたりする必要はありませんし、やるべきではありません。それとは、ちゃんと向き合う時間が必要です。さもないと、後で中途半端な形で出てきて悪さをします。とはいえ、いつまでもそれを考えてしまうと、時間だけが過ぎてしまいます。悔しがりつつも、次の一手に向かって進むためには、悔しがる日、あるいは悔しがる時間、を決めることです。

例えば、土曜日の夕食後から9時までは、思い切り悔しがり、後悔し、ネガティブに考えてもいいことにする。

でも、それ以外の時間は、前に進むために使う。

例えば、自社養成受験の準備をするとか、数年後に自費訓練を始めるために違う仕事につく計画を立てるとか、海外のエアラインで飛ぶために実践的な英語を学ぶとか、そういうことです。パイロットは、どのみちプロとしてものになるには5年、10年の世界ですから、長期で計画を立てましょう。

海外で働くことを視野に入れるなら、例のウイルスが落ち着いたら海外旅行に行く計画を立ててもいいでしょう。暮らしてみたい国を実際に見ておくことは、とても大事なことです。

ボクサーはパンチをしのぐために肘をたたみガードを上げます。いいボクサーは、そうやって相手の猛攻を凌ぎながら、ジリジリと脚は前に進め、12ラウンドを闘います。1ラウンドでちょっとダウンしたからといって、勝利をあきらめるボクサーはいません。

肘をたたみ、ガードを上げて、脚は前へ。

ここは、じっくりいきましょう!



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