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対人緊張を強めやすい育てられ方

こんにちは、Soratoです。

予告通り、補足記事を小出しにしていきます。

対人緊張を強めやすい育てられ方

タイトル通り、「対人緊張を強めやすい育てられ方」に関する話ですが、参考図書として使用させてもらった「社交不安障害 理解と改善のためのプログラム」に印象的な記述がありました。

引用で紹介しますが、あくまで話の流れで出てくる一説なのでその点はご了承ください。

対人緊張が強い人には、親が厳しかったり、押さえつけられて育っていたりする人が少なくないが、鳥羽氏の場合も、母親を早く亡くしたうえに、横暴な父親の顔色をうかがいながら暮らすという状況が、対人恐怖に関係していたと思われる。

社交不安障害 理解と改善のためのプログラム 著 岡田尊司

他にも、「森田療法 著 岩井寛」にも似たような記述があり、私もこのケースなので、対人緊張が強い人って厳しく育てられた人も多いのかなと思いました。

ちなみに、異質な家庭で育った私の意見としては、自分の家庭のやり方は自分の中では「常識」でも、世間一般の「常識」「普通」とは必ずしも一致しない場合があるので、ご自身のケースを考えるときは、その点も軽く念頭にいれて考えてみてほしいなと思います。

なぜ厳しく育てられると対人緊張が強まるのか

部分的な引用で理由が詳しく述べられてるわけではないので、私個人の意見となりますが、厳しく育てられることで対人緊張を強めやすい理由としては「ちゃんとできないといけない」という強固な基準ができやすいのと「ちゃんとできない自分を責める」のふたつが考えられます。

具体的な例をひとつあげると、発表などの場において、緊張してしまったことに対し、

「オドオドしちゃだめじゃないの!もっと堂々としなさい!」

と言われて育った人と、

「ちょっとくらいかっこ悪い面があってもいいんじゃない?お母さんもなんでも完璧にできるわけじゃないんだから」

と言われて育った人では、どちらが緊張という問題を深刻化させやすいかを考えるとわかりやすいと思います。

私もよく「○○でなければならない」と言われて育ってきましたが、このやり方の厄介なところは、子供が「〇〇じゃないといけない」という基準に縛られやすく(森田療法では「かくあるべし」と言います)、且つ、自分が○○でないことをすごく責めるんですよね。

また、個人的に誤解しないで頂きたいポイントは、

厳しく育てられたから対人緊張の症状が強く出てくる⇒社交不安になる

ではなく、

厳しく育てられた人ほど対人緊張の症状を「深刻視しやすい」

ということです。

社交不安の状態だと、どうしても緊張だけに目が行ってしまうと思いますが、緊張の症状があっても社交不安でない人はいますし、社交不安って意外に緊張の症状(身体的症状)はさほどでない人もいるので、社交不安って緊張だけの問題ではありません。

個人的には、緊張の症状自体よりも、それを発端として、自己嫌悪と内省の迷路にはまりこみ、そこから抜けられなくなる方がよっぽど問題だと思っています。

(自己嫌悪と内省の迷路が問題を「より深刻化させている」というのは、多くの社交不安の人が納得してくれる認識だと思います)

ただし、このケースにおいても、過去の記憶を分析したり書き換える(?)的なことは必ずしも必要ではなく、その結果、現在生じている認知と行動を変えていけばOKです。

個人的には、内向型の知識を使い、「人の価値は人前での堂々とした振る舞いにだけあるのではない」と意識するのはおススメですね。自分にすごく厳しく接してきた人が、急に自分に優しくなるってそう簡単なことではないので、知識を使ってサポートするのも大切かなと思います。

ご家族の方へ

この記事は社交不安の当事者だけでなく、支えている家族の方が見る可能性もあるので、ご家族の方向けへの注意事項も記しておきます。

私がここで言ってるのは、あくまで「そのようなケースもある」ということであり、「子供が社交不安になったのは親の育て方のせいだ」ということではありません。

育て方の話になると、親が責任を感じて自責の念にかられることがすごく多いようなので、念のため記しておきますね。

私もいくつかの本や映像を通じて心の病気の人を献身的にサポートしている家族の方がいると知っています。

支えてくれる人がいるというのは、むしろ助けになると思いますので、その点は誤解されぬようお願いします。

参考

・社交不安は緊張の症状(身体的症状)はさほどでない人もいる→「社交不安症の臨床」金剛出版

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