そらQ

そらQラジオ【text】第10回(2020年1月31日):ローカルプロジェクトの人材戦略 その5

そらQラジオ【text】では、ラジオの内容を整理してお届けします。第10回は山本美帆さん後編。鹿児島県奄美大島で空き家を改修してチャレンジショップ兼コミュニティスペース「HUB a nice d!(ハブアナイスディ!)」に人を巻き込む秘訣を伺います!(山:山本さん 永:永山)

要点メモ
・プロジェクトは、過程をイベントに仕立てて人を巻き込む
・外の人材を取り込むには、どんな人材が欲しいか、欲しい人材がどこにいるか、信頼できる人と考えたい

過程をコンテンツにして楽しむ

永:人を巻き込む時に大事にしていたことは何ですか?
山:過程もコンテンツにして楽しむこと。空き家改修の場合、壊すところから一緒にやります。壁をはがして、塗って。参加してもらうと「自分がやったところだ」って思えます。こう考えたきっかけは、お笑い芸人キングコングの西野さんの「えんとつ町のプペル」の光る絵本展を奄美大島の瀬戸内町で開催したことでした。廃墟ビルだったところに光る絵本を飾り、2週間でのべ3000人に来てもらいました(当時町の人口は9000人)。入場料500円取るけれど、町で使える500円分の商品券をキャッシュバックに付けて、経済効果が生まれるようにしました。プロジェクトチームができ、町の人にも手伝ってもらい、完成を「はいどうぞ」ではなく、作る段階から楽しむと自分事になっていくなと感じた経験でした。

首都圏人材に、奄美の自然の中での休暇と仕事を提案したい

永:具体的にはどんなことをしましたか?
山:「壁塗り」など一つ一つをイベントに仕立てます。 SNS もありますが、島ではリアルの繋がりが強いので、「今日するから来てね」と一人一人に小さな声かけをしました。1回で、多い時には20~30人が来てくれました。
永:甑島のヤマシタケンタさんによると、島の人はもともと、1人5~8役とか兼業副業っぽいことをしていて、できることが多いから「自力」がある。そういう作用もありますか?
山:参加してくれた人の中に、「この人、こんなことができるんだ」っていうのはありました。
永:ヤマシタさんは、島の中の人が持っていない経験やキャリアは、外の人をうまく頼るそうですが。
山:今、島外の人と関わりは専門家の人にアドバイスをもらう程度です。外の人のスキルも本当は欲しいけれど、そこまでの段階ではありません。首都圏でビルで働き詰めの人を、豊かな奄美大島の自然の中で、休暇と仕事を持ちながら来ませんかという提案をいつかしたいと思っています。私も島と夫の転勤先との2拠点ですから、今後、兼業副業であちこちに行ける働き方をしたいと思っています。

外の人材とどう絡めるか。信頼できる仲間と考えたい。

永:今やりたいと思ったらことができていないとしたらそのどうしてなんでしょうか
山:自分が欲しい人がどこにいるので分からないし、つながりができていないからでしょう。 そもそも、地域に何が必要なのかも議論できていません。自分が外から引っ張って来れるようになりたいです。
永:どこにどんな後押しがあったらそのプロジェクトが輝くのか、一緒に整理してくれる人が必要な気がします。
山:心から信頼できる関係性が必要です。その時々良い事だけ言って出て行かれるのは辛いですから。
永:まずは人間性や目指しているビジョンに共感できる人との出会いがあり、信頼関係を築きながら一緒に未来を描くような関係ですね。島の中の人材戦略には山本さんが描けるけれど、東京の人材とどう絡めるかを一緒に考えてくれるパートナーがいるとよいのでしょうね。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?