帰り道

幾度となく出発しては帰るを繰り返している旅の終わりはいつも、ありがたいことに出逢いに感謝している。旅にタイトルをつけたらいつだって「出逢い」になってしまうくらい私のボキャブラリーは少なくて、でもこの言葉以外に見つからなくてもまあ大丈夫かな、とも思っている。それくらいシンプルで、でもいつも旅を彩ってくれるもの。嘘みたいな時間を本当にしてくれるのは、その場所で出逢ったという事実なんだと思う。いやこんな回りくどい必要もないのか、つまりは出逢いに感謝しているいま、この文字を打つ画面は歪んでいる。

旅の終わり。いつも「終わらないで」と思う傍ら、内心「そろそろ終わって」とも思っていることを言葉として残しておきたい。どちらも本当の気持ちで、ちょっぴりだけ後者に天秤が傾いているかな。

なぜなら、こんな人と出会ったよ、あんな事があっよ、と話したい人がいるからだ。少しずつ買ってきたいろんな国のものを早く一緒に食べたい人がいるからだ。

離れたからこそわかる大切な存在。離れなければわからないのか、という厳しい言葉にいまは耳を塞ぎ、離れることで気づかせてくれる旅のもうひとつ、なのかもしれない。移動する旅は終わるが、私の旅は続く。今回の私の1ヶ月の旅は、1ヶ月かけても話終わらないだろう。そうだなぁ、夏が終わるくらいまではかかるかもしれない。

日本はこれから夏が始まるのか。ヨーロッパの夏を駆け抜けて更に日本の夏をはじめからとは少しばかり気がひけるが、家に帰ったら冷蔵庫で冷やした炭酸水を持って長風呂して、足の裏にこびりついた黒い汚れをそぎ落として、自分のベッドで泥のように眠り、目覚めたらコーヒー豆を買いに行って、ヨーロッパで買ったコーヒーミルと直火エスプレッソマシーンでたっぷりの氷が入ったアイスカフェラテを作るんだ。もちろんそこに、パリで買ったバゲットにたっぷりのチーズを乗せた朝食と、スロバキアで買ったはちみつをかけたヨーグルトを準備、するつもり。さてと、日本へ帰ろう。旅の終わり、出逢いに感謝しながら、湯船が楽しみな帰り道。

何歳になっても先生に習ったことは忘れないし、変わらない。復習です、「家に着くまでが...?」今、パリの空港のマクドナルドで書いています。

次はどこへ、いくのかなぁ。

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