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問題と課題の違いを知っていますか?~Raise your Flag 体験記その3~

問題と課題という言葉。皆さん、何気なく使っていませんか?

私もそうでした。ただ、仕事がら多国籍の人たちに課題に対して話し合ってもらう機会を設けることが多く、「びっくりするくらい上手く伝わらないな~。個人的な問題ばっかり出てくるな~。なぜだろう?日本人同士でここまで困ることないのにな~。私が外国語で上手く表現できていないからかな?」と長年試行錯誤して悩んでいました。

が、「いや、そもそも私が日本語の定義としても、問題と課題にまつわる違いを知らなったからやん!」と驚きました。皆さん、違いについてご存知でした?

1.問題と課題の違い

違いは以下の通りだそうです。

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詳しくは、安斎勇樹・塩瀬隆之氏著「問いのデザイン~創造的対話のファシリテーション」(2020年学芸出版)。

私の仕事の事例で考えてみます。

研修主催側である私たちは、参加者に対して「職場や社会の課題を説明してほしい。そして、その課題の解決策を考えよう」と伝えてきました。そして、参加者から出てくる”課題”は、私たち研修主催側が期待する内容であることもあれば、「それって個人の問題ですよね?」というものも多くありました。

ここで課題の定義を見返してみます。課題の定義は「関係者間で解決すべきだと合意された問題」のこと。

もう一度私の仕事の事例を読んでみてください。そう、気づきますよね、関係者間で解決すべきだと合意されていないことに

研修主催者である私たちは、課題を聞きたいと思いながら問題を聞いていたのです。これは課題と問題の違いを知らなかったから起きたことだと思います。

日本社会だと、課題と言われると何となく、自分の問題というよりも皆の共通の問題を挙げがちです。皆の共通の問題を挙げるので、合意が取れていなかったとしても、中らずとも遠からずという感じで、何となくだけど皆問題だと思っているよね、というものが出てきやすいです。

外国人の場合、自分の問題を挙げる人が比較的多いです。だからこそ、違和感に気づくことができたとも言えます。とはいえ、解決できていなかったので、今回知ることができて、本当にありがたかったです。

2.研修づくりに向けて

まず、問題と課題の違いについて、研修を共に作っている関係者の皆さんに共有し、問題と課題の違いについて共に理解を深めていきたいと思います。

次に、課題設定には「関係者の合意が必要(関係者みんなが解決したいと思うこと)」という点を常に意識して研修をつくっていきたいと思います。

おそらく研修主催側の関係者間でも、その研修で解決すべきと思っている課題は少しずつかみ合っていないところがあったように思います。参加者側のニーズ把握についても、これは昔から試行錯誤中ですが、問題と課題の違いを知ることで、より把握しやすい形を考え出すことができればと思っています。

課題は「関係者が解決すべきだと合意した問題」であることを理解した今、私ができることはたくさんあるはずです。

3.「課題」を意味する外国語探し

「課題」に値する外国語は何か、適した言葉を探していきたいと思います。

英語でproblemは何ですかと質問すると、経験上、個人的な問題がわんさか出てきます。challengeというと単語を使うと「職場や社会の課題」に近い回答が比較的多くなります。しかし、problemもchallengeもやはり「問題」という単語のように感じます。

また、ロシア語はさらに難しく、「課題」に適した単語は存在しない、と言われたことがあります。

これから、英語・ロシア語・スペイン語・ベトナム語など多言語での表現方法についても皆さんに相談しながら探していきたいと思います。もし「課題」の適訳をご存知の方はぜひ教えてください!!

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