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紙オタクから見たブロッコリーというカードゲーム作成会社

お疲れ様です。まみやながつです。
今日はまみやながつから見たブロッコリーというカードゲーム作成会社について語っていこうと思います。
ちなみに褒めるべきところは褒めますが、多分大量のディスで埋まっていると思います。ごめんね…

カードゲーム作成会社としてのブロッコリーの評価

100点満点で30〜40点、Dランク、大分弱いと思っています。
だって、販売方法、カードデザイン力、企業としての資金力全部弱いんだもん。
十年前くらい前は遊宝洞のサポート込みで80〜90点くらいの魅力的なゲームを作っていました。
いや、マジで遊宝洞って優秀なんだなって思います。(ビルディバイドから目を逸らしつつ)
というわけでブロッコリーの良かった点、悪かった点と時系列順に色々と語っていこうと思います。
ただ、僕残念ながらアクエリアンエイジやってないし、Vividzもやってない元ゼクス民としての感想として受け止めていただけると幸いです。

2013年〜2015年 ゼクス黄金期

僕がブロッコリーゲーを触りだしたのはこの辺りになります。
ちょうど就活やら卒論でカードゲーム離れてて復帰する上でおもしれーゲームないかなと探したところに居たのがゼクスです。
この頃のゼクスって崇高な精神を持っていて
①カードが手に入らないのはモチベに関わるのでプロモは既存の互換とかにしていきたい
②競技的なゲームを求めている方もいるがより多くの人に遊んでもらうべく、公式はカジュアル方針。競技的に遊びたい人は個人や店舗のCSで遊んでもらう。
③女の子半分、女以外(男ロボットモンスター等)半分のカードを作る
という3点です。
すごいです。今でもこれが守れていれば確実にVividzは OSICAやビルディバイドを超えた良ゲーになってたと思います。(守れなかったんだよな〜^^)
当時、綾瀬杯準優勝2回くらいする程度にはガチってたまみや視点、盛り上がりとしては当時のカードゲームとしては最上位で、今のヴァイスやエボルヴと同じ程度には盛り上がっていました。流石に今のポケカやワンピほど盛り上がっていたわけではないですが、これくらい盛り上がっているっていうとすごいですよね。
これほど盛り上がるほど上手くいっていた要因として個人的にはまずカジュアルとガチ勢がほぼ完璧に住み分けできていた所になります。
当時のゼクス、ガチデッキの選択肢そんなにない程度のゲームだったんですけど、それでも多くのユーザーがついてきたのはガチ勢とカジュアルがほぼ完璧に住み分けできていたところが大きいと思います。
当時のガチデッキって、面取りブレイバー、バウンス絡めた速攻、速攻意識の中速コントロールの3択くらいでゲームバランスとしては良くある国産TCGの環境って感じだったんですよ。
当時のCS勢だいたい面取りブレイバー、バウンス絡めた速攻ばっか使っててたまに変態の競合が速攻意識の中速コントロール使ってた感じです。
特にバウンス絡めた速攻の雑魚狩り性能がマジでやばくて対策していないと即死みたいな感じで普通にやってると速攻カスすぎ、やめるわこんなゲームってなるんですけどCS勢とカジュアル勢の邂逅がほぼ起きなかったのでそういったネガティブなイメージってのはほぼなかったです。
また、ガチとはほど遠いものの5属性の中に4種類の種族があり、それぞれにギミックを持ってて、種族単というおもちゃがたくさん組めたのと、尖った性能の一部カードが専用デッキとして遊べる代物だったので好きなデッキを好きなようにくんでみんな遊んでました。
2013〜2015年はゼクスの黄金期とも言える時代だったと思います。
しかし、この時代は長く続かなかったのです…

2016年、ゼクス崩壊

2016年からゼクスはぶっ壊れました。
この年から開発サポートを行なっていた遊宝洞が離脱。理由は知らないんですけど。
これによりゼクスのカードバランスはぶっ壊れていきます。
遊宝洞が離脱した最初の弾、十五弾ですが、これがマジでバランス終わってました。
ゼクスのインフレ加速の初っ端ということでアクセル全開でデザインされたカードがこいつらです。

あまりにも戦犯ばっかで爆笑してる

現在までにゲームバランスの調整のためにエラッタや禁止カードになったカードは100枚中8枚。
ちなみに他弾は2枚あったら多いねくらいですし、ゼクスはゲームバランス調整のためのエラッタが50枚弱、禁止カードが34枚の中で7枚を排出しているのがこの弾です。
ちなみにこのゲーム、デュエマでいうフェアリーライフ系のカードがあまりにも強くなりすぎてほぼすべてのマナ加速を禁止にぶちこまざる得なくなった事故みたいな禁止が多いんですけど、この弾の8枚中5枚はループを引き起こして、2枚はただただシンプルに強すぎた(現代でもエラッタ解除できないレベルで)なので擁護できないです。
シンプルにブロッコリーはカードデザイン能力がないと言わざるをえない結果となってます。
まぁ、ただループはインフレによる影響はあるよねと言いたいところですが

マナゾーンに↓がいると全体1000上げ
マナゾーンに↑がいると6マナ以上が離れたマスに攻撃可能

この2枚はシンプルに強すぎて禁止→エラッタで出所しました。本当に擁護のしようがないクソです。ちなみに僕はこいつらに山ほど勝たせて貰った上で言います。マジもんのクソです。
そして、このインフレからの全国大会の開催が決定しました。

②競技的なゲームを求めている方もいるがより多くの人に遊んでもらうべく、公式はカジュアル方針。競技的に遊びたい人は個人や店舗のCSで遊んでもらう。とはなんだったのか

まぁ、ただ、これもまだいいですよ。うん。色々思うところはあったけど許せた。

そして、次に起きたのが遊戯王で言うエクストラデッキ、デュエマでいう超次元ゾーンの「デュナミス」発表です。

このデュナミスの降臨というギミックをわかりやすくいうと1ターンに1回だけ降臨ができて、マナゾーンが7枚以上かつ盤面の赤のクリーチャーを合計7マナ以上になるように2体破壊することでゲーム外から出てくるというシンクロ召喚でした。
で、この発表もガチ勢、カジュアル勢にも期待の新要素として受け止められていました。
ゼクス公式も先行でこの降臨を遊べるようなイベントを開催、基本的に6マナ以上でないと使えないということもあり、ゲーム後半の重要な局面で選択肢を増やしつつ、ゲームスピードは上がらないという絶妙なバランスで本当に期待されていました。
そして、このエクストラデッキの導入に伴い、もう一つレベルという概念が追加されました。

エクストラデッキのカードはゲーム開始時は裏向きで置かれ、プレイした後に破壊されると表向きで置かれます・
で、このアメノウズメというカードはエクストラデッキの表向きのディンギルのカードが1枚あれば効果を使えるよというものです。
しかし、表向きのカードがなければ効果がつかえず、バニラですが、その分効果は同じマナコストのカードと比べて強力でした。
これも戦略性があって、ディンギルレベルを参照するカードを積むためにディンギルをプレイする前提でプレイを歪ませる前提の構築するか?そもそも採用しないのかというジレンマを産みました。
しかし、ディンギルレベル2〜3ともなると非常に強力な効果が多く、どこまで採用するかというのも難しいところでした。

レベル2で3マナで手札から4マナ登場。算数がおかしい
レベル2で敵味方問わず2枚バウンス。

上記のエイクスニールはたった3マナで7マナ分の動きができると非常に強力な効果を持っているもののディンギルレベルは2と非常に高い数値を持っています。
しかし、これが決まれば盤面の制圧は簡単にできるでしょう。
ではここで問題です。
最速6マナから出てくるデュナミスのディンギルを持つカードを表向きにして、この3マナのエイクスニールの効果は何ターン目に使えるでしょうか?
ちなみにゼクスはゲーム開始時2マナスタートで1ターン目に3マナの行動ができます。
また、ディンギルは1ターンに1回しかプレイできません。

まー、6→7と2ターン連続でディンギルプレイしてそれが破壊されるとなると8マナくらいで起動…5ターン目とかかな?となると思います。

答えは「2ターン目です」

もう一度いいます。答えは2ターン目です。


その原因がこれ、レベルアッパーイベントです。

これらのカードはなぜかデュナミスのディンギルを表にするメリット効果にパワー6000以下(≒4マナ)のキャラを1体除去というメリット効果が書かれているという意味不明なものでした。
そして、これが全ての色に1種類ずつ存在していました。
そして、ゼクスは呪文の対象がいなくても呪文が使えて効果を処理することができます。
つまり、1ターン目、3マナの状態でこのイベントを2発空撃ちして2ターン目にディンギルレベル2という本来5〜6ターン目に襲いかかるような効果が飛んでくることになりました。
このギミックを最大限使用した通称:レベルビートと呼ばれました。
このレベルビート、タイプとしては速攻系のデッキになります。そのため、速いデッキが苦手なデッキが多いカジュアル勢のデッキを簡単に破壊できるデッキタイプであり、なぜかレベルアッパーイベントが防御にも使える呪文だったため、それまでの環境の速攻デッキも一緒に蹂躙。
2016年上半期の最強デッキとして君臨し、これはゼクスのゲームバランスを一瞬で破壊しました。
そして、ディンギルというギミックはプレイはされていたものの基本的には表向きにするだけのマーカーとして認識されました。
そして、このマーカーはもう一つヤバい問題を生み出しました。
レベルアッパーイベントと同じようにレベルを上げるクリーチャーもちゃんと存在していました。そして、こいつらもレベルアッパーとしては実戦級であり、よく使われていました。

呪文であるレベルアッパーイベントはなんでも表にできたのですが、クリーチャーのアッパーは名称指定で特定のカードしか表にできませんでした。
そして、このクリーチャーで表にできるカードはポイント交換のプロモーションカードと低確率で封入されている高レアリティ版の2種類しかありませんでした。
しかも、ポイント交換のプロモカードが即無くなり、カードが手に入らない難民を一時的に生み出しました
当時、これらのカードはプロモ版がそれぞれ2000円程度、高レアリティ版は5000円から2万円程度で取引されており、買えれば安いというような状況でした。
ちなみにこの状態で世間では全国大会の予選が開かれていました。
①カードが手に入らないのはモチベに関わるのでプロモは既存の互換とかにしていきたいとは…
そんなこんなでこのディンギルという新ギミックはゼクスを終焉に向かわせました。
2016年上半期の最強デッキ、レベルビートは多くのプレイヤーのモチベーションにトドメを刺していきました。
少なくとも僕の感覚ではこの段階でカジュアル勢は80%が引退、CS勢も40%くらい引退していたイメージです。
…2016年上半期の最強デッキ…?
そうです。このゼクスというゲーム、まだ弾けます。
2016年下期には調整ミスとしか思えない黒t緑というレベルビートを余裕で蹂躙するバケモノデッキが生まれ、普通の調整ミスでロックデッキやループデッキによるエクストラウィンが頻発していきました。
ただ、2016下期から僕そーとー離れてたんでこの辺り解説できないっす、すみません。

2018〜2020年 キャラゲー「ゼクス」の時代

2018年、スタートダッシュデッキの発売により友人が復帰し、俺も誘われて復帰しました。
この当時のゼクスはキャラゲー路線に切り替え、IGOBという新システムを作っていました。
実はゼクスにはプレイヤーカードというギミックがあって選んだプレイヤーによって使えるカードが変わるというシステムがありました。
しかし、2013〜2015年、プレイヤー指定のカードで強いカードは3年間で10枚くらいしかなくてCSではほぼ見ることはなくてカジュアル勢のおもちゃでした。
2018年ごろのゼクスはプレイヤー指定のカードを強力にしており、プレイヤーごとに能力が大きく異なるIGOBというシステムでキャラゲーとして高い完成度を誇っていました。
一時期は死滅したカジュアル層もある程度戻ってきてゼクスは再び勢いを取り戻しました。

2021年 クソ封入率新ギミック

この年のゼクスも引き続きキャラゲー路線を進んでいました。
しかしこの年の新ギミック、アルターブレイクは非常にヤバい問題を抱えていました。
それが封入率がクソすぎるというものです。
カートンに1枚しか入ってないカードの4枚採用が当たり前。
5キャラ全員使う汎用カードがカートン1枚なのが当たり前。
なんなら全キャラ使う汎用カードがカートン1枚とかいう時代でした。
そんなん誰がカード揃うねん!1枚シングル相場1万円とかするカードを4積み要求されるヤバい時代でした。
当然、ついていけないとみんな心が折れていきました。
俺も頑張ってたけど1年が限界でした…
ゲームバランスも高速化に高速化を重ねて正直微妙だったなーと思います。

2022年 Vividz発売

そんなクソ封入率問題が大きく改善しない中、ゼクスに加えて新しいカードゲームを展開しました。
それが今日、サービスを終了した「Vividz」でした。
このゲームが流行らなかった理由はただ一つだと思います。
「ゼクスの負の遺産を何も解消していない」
この一点につきます。
まず、封入率。
これに関して、Vividzは良心的だったと聞いています。
その良心を…ゼクスにも分けてもらえないのでしょうか?
なんならすぐにゼクスみたいな封入率になるんやろ?という雰囲気でした。
そしてゲームバランス。
OSICAとかビルディバイドってそれぞれバランスに問題はありながらも遊んでいるプレイヤーからは好評でした。
じゃあ、Vividzはどうなん?って話なんですけどVividz面白いという話は1ミリも聞こえてこない状態でした。
今僕がメインで遊んでいる OSICAってNoteがそこそこ盛り上がっていてよく検索しているんですけど、Vividzのデッキ紹介が何故か引っかかったんですよね
そこには相手の効果を封殺するためのテキストが書かれたカードがたくさん並んでいた上で「こいつらのせいでVividzのゲーム体験がマジで面白くない、作ったの OSICAかビルディバイドのスパイだろ」とか書かれていました。
実際、相手の効果を封殺するカードって遊戯王のスキドレ群雄割拠とか嫌われている通り、ゲーム体験としてクソだよねーと思いながらそっと記事を閉じました。
というわけでVividzはゼクスの「クソ封入率とクソバランス」のイメージを綺麗に引き継ぎ、封入率はVividzは改善したもののゼクスは一向に改善されなかという背景もあり、泣かず飛ばずだったように見えます。
そら売れねえよ

ブロッコリーに思うこと

ゼクスが一番流行っていた時のことが何故できない?というのが本音です。
①カードが手に入らないのはモチベに関わるのでプロモは既存の互換とかにしていきたい
②競技的なゲームを求めている方もいるがより多くの人に遊んでもらうべく、公式はカジュアル方針。競技的に遊びたい人は個人や店舗のCSで遊んでもらう。
③女の子半分、女以外(男ロボットモンスター等)半分のカードを作る
この三つですね。
ゼクスはインフレにインフレを重ねており、カードバランス面では仕方ないといえど封入率を明らかに絞っており、カードが手に入らずモチベを失って消えていくプレイヤーを見てきました。
その状態を改善せずに新TCGを作るものの大失敗するのは当然だなという感想です。
ゼクス流行ってた時ってうたプリ全盛期だから資金もあって色々挑戦できたんでしょうね、今じゃ無理か^^ってイメージです。
Vividzもアニメや漫画などのメディアミックス展開しつつ、バランスもしっかり取れるように遊宝洞入って作ればまた何か違ったかもしれません。
個人的にこのままゼクス作って先細りしながらどっかでゼクスもたたむんだろうなーというのが今のブロッコリーのイメージです。
ただ、デジキャラットとかうたプリとか時々爆発的なヒットを生み出している会社ではあるので頑張ってほしいなとは思ってます。思っているだけ。

というわけで終わり

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