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◉【おもてなしに学ぶ】(茶道家メモVol.19 一期一会の空間をつくる)#51

お茶席の空間は一期一会の言葉にもあるように、一回一回、お茶席が終わればそれらは片付けられて、空になります。

そして、また新たなお客様を呼び、次のお茶席が開かれます。

空であることは、さまざまな変化をもたらす、生きた空間ということです。

立派な装飾品などで飾り立てたとしたなら、動きがなくなってしまいます。

名画や宝物などで埋め尽くされた美術館は、風通しが悪くなっています。

お茶席は、テーマにもよりますが、1回ごとにお客様の好みや季節感、開催時刻に合わせて変えることができます。

機会ごとに変わってくる好みを取り入れられるものとして、空間の概念が広がります。

空間とは、空(くう)の間(あいだ)と書かれるのはどうしてでしょう。

東洋の棚に違い棚という、左と右で交互に仕切り高さの違う棚があります。

少しだけ歴史を振り返るような時代になってしまったかもしれませんが、東洋建築のなかでも茶室には違い棚のような不規則な非均衡で且つ、不安定な景色がみられます。

まさに、静という空間に流動性という動が生きているのではないかと感じたりします。

また、しっかりと左右対称になり過ぎれば、心の動きにも影響を及ぼしたりするのだろうと考えたりします。

茶は古代中国で、最初は薬として用いられていました。それが精神世界へと運ばれていきます。

「一煎目は唇と喉を潤し、二煎目は孤独感を忘れさせてくれる。三煎目を口に含めば、枯渇(こかつ)していた詩心(しごころ)をかきたてられるが五千巻ほどの不思議な軸が並ぶように感じた。四煎目でうっすらと汗がうまれ、日ごろの煩わしさが毛穴から出ていくようだ。五煎目には心身が浄化され、六煎目には不老不死の境地に至ってしまった。」

これはお茶を単なる飲料に留めず、お茶のもつ精神性を後世に遺した詩です。


お茶の世界観を紐解く茶道には自らを整えることにとどまることなく、同じ空間に同じ時を過ごす相手に対する配慮や相手に喜んでもらえるよう、茶人にとっても相手にとっても、一期一会の人格形成の旅路にある人間関係学だと思います。

おもてなしは心身ともに幸せになる為の人間関係学だと感じています。

あなたはどんなおもてなしをしていますか。


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