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◉【おもてなしに学ぶ】(茶道家メモVol.16 茶は養生の仙薬なり)#48

鎌倉時代の医書のひとつに「喫茶養生記」があります。

その時代の医術のレベルでは薬を投与されても体調が悪くなるのは、病と薬が対応していないからだと言い、灸をそえられれば灸と脈が衝突して寿命を縮めているから、五臓和合門(宋代の東洋医学の1つの教え)をとりいれることが肝要だと伝えています。

喫茶養生記は「茶は養生の仙薬なり」の書き出しで始まり、茶を万能薬として推奨する内容となっています。

養生とは生命力を養うものです。飲むと不老不死の仙人になるという薬、非常によく効く薬、霊薬、と解釈されます。

もしも、山や谷に茶が生育しているなら、その土地に霊気があるとさえ言われます。

人がこれを採って飲めば、その人は長命となると言われ、インドでも中国でも日本でも、古くから愛飲されています。

病気にならないよう、生命力を養う方策は、五臓(肝臓、肺臓、心臓、脾臓、腎臓)を健康にすることだと言われます。

五臓が健康に保たれることは生命循環をととのえ免疫力を高めて外邪から身を護ることにもなるとされ、五臓のなかでも心臓が王者になり、その心臓を健康にするために茶が最良と言われています。

心臓をないがしろにすれば、五臓すべてがはたらかなくなり、五臓をないがしろにすれば、生命の危機を招いてしまうということです。

お茶の世界観を紐解く茶道には自らを整えることにとどまることなく、同じ空間に同じ時を過ごす相手に対する配慮や相手に喜んでもらえるよう、茶人にとっても相手にとっても、一期一会の人格形成の旅路にある人間関係学だと思います。

おもてなしは心身ともに幸せになる為の人間関係学だと感じています。

あなたはどんなおもてなしをしていますか。

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