まま 0話

ぼくのままはふかふかで、どこを触っても柔らかい。
寡黙だけどいつもまん丸のおめ目をくりくりさせて僕を見守っているんだ。
その瞳を見てるとねぇ、僕は絶対的な安心感に包まれてまた生まれたくなってしまう。

ねぇ。ぼくは一生ままの子どもだよ。

そう言って彼は破けた腹に針を刺す。
「まま、おつかれさま。ぼくは今日も元気に生まれたよ」

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