教習所で己の社会不適合者っぷりを再確認した
『何か悩みや不安がある時は運転を控えましょう』
これは学科の最初の授業で習うことである。
しかし、ここ2、3年常に悩みや不安を抱え続けている私。メンタルのぶれが激しく、日によっては運転に集中できずもう一度同じことをやるはめになる。
それはそうと、ここ最近は技能教習の予約が取れない。次に取れる日は10月上旬。これでは仮免が切れてしまう。
頻繁に予約サイトを見て、キャンセルが出たら即座に予約を入れる。「滅多に予約が取れないのだから多少体や心の調子が悪くても行かなきゃ」という気持ちになる。
この日は特に精神的に余裕が無かった。元々なんとなく気持ちが落ち込んでいた上、夜ご飯を作るよう母に頼まれていたし、その後にはzoom会議が控えていた。本当に話し合いが苦手なので会議は非常に苦手だ。
おまけにあと少しで技能が終わるにも関わらず、なかなか次の段階にいけないため「今日こそクリアしないと…」というプレッシャーにも駆り立てられていた。
やることが多いと逆に何も手につかなくなる。そんなクソ人間がこの私、ねぎいもである。
だが、せっかく取れた技能教習。キャンセルするわけにはいかない!!
そんなマインドで不安を抱えつつも教習所に向かう。
しかし、不運なことに1番苦手なおじさんの教官に当たってしまった。何が苦手かというと、とにかく口が悪い。誰に対しても悪い。もちろん生徒にも悪いし道ゆく車にも悪い。この前は「チッ…どんくせえなぁ前の車」と言っていた。
しかも話し方がボソボソしていて非常に聞き取りづらい。
強めの口調で言われるとすぐ頭が真っ白になり萎縮する&人の話を一発で聞き取ることが苦手な私とは最悪の相性である。
それだけで憂鬱な気持ちになりつつも早く卒検まで行きたいというやる気もあるので何とか心の中で自分自身を奮い立たせる。
時間になり車の点検をし、座席の準備をしていた時
「前回(の教習で教官に)どんなこと言われた?」
と聞かれたので
「エンジンブレーキがあんまり活かせてないっていうのと…あと時々車が左に寄ってしまうっていうことですねー」
と返すと
「基礎的なことも出来てねえじゃん。こんなにやってんのに。」
と教習原簿を見ながらボソッと言われたので、もうここでメンタル的にキていた。
『本当になんで何回もやってんのになかなか出来ないんだろう』という自己嫌悪と
『なんでこっちはお金払ってんのにそんなこと言われなきゃいけないんだろう』というイライラで平常心を失いかけていた。
そんなメンタルのまま普段と違う位置から発進することになり、既に冷静な判断を出来なくなっていたため真っ直ぐ行って一般道へ出るべきか、一旦曲がるのかが分からなくなり
「これって一回曲がりますか!?」
と尋ねたところ
教官はボソボソ返事をするので全く聞き取れなかった。
なおさらパニックになり「え?え!?どっちですか!?」と聞くと
「曲がってっつってんじゃん!いきなり外へ出てく車見たことないでしょ!」
と今度は怒鳴られてしまった。
「すみません、ちょっと聞き取れなくて…」
と自分が話すと
「さっきから何回も曲がるよう言ってんだけど。」
と返された。
もうこの辺りで限界だった。
このまま一般道へ出たら車を壁に衝突させてしまうかもしれないし人を轢き殺してしまうかもしれない。マズい…
とにかく自分を冷静な状態に戻そうとすればするほど自己嫌悪と焦りでいっぱいいっぱいになり、気づけば目は涙で滲み、ますます運転してはいけない状態になるのだ。
それでも隣から注意は止まない。それが教官の仕事であるから当たり前ではあるが、もう真っ当な注意であってもただただ怒られているような気持ちになってしまう。
いよいよ限界になり急ブレーキをかけ「すみません!ちょっと今日無理です!」と言ってしまった。
流石に教官もたじろぎながら「怒ってるわけないじゃん」と言っていたが、いかんせんメンタルが弱いので何を言われても責められているような気がした。
結局技能教習を受けずにそのまま帰ることになってしまった。
その際にまた別の教官(その時間は技能も学科も担当していなかったであろう)にどんな事情があったのかを聞かれ惨めったらしく泣きながら「元々自分のメンタルが不調な上でこういうことがあって〜」と話すと
「不快な思いをさせてすみません。今後の教習や検定では○○(教官)と被らないよう配慮します。」
と答えてくれた上に今日やめてしまった分の予約(しかも2時間分)を取ってくれたのだ。
「気持ちを切り替えてまた頑張って!」と言われてちょっと嬉しかったし、予約も取れてラッキーと思いつつも
もうそろそろ20歳になるわけで第一線で活躍している同年代の人もいて、知り合いの同級生はミスコンに出たり勉学に励んだりしている中で、
自分は未だにメンタルコントロールが出来ず、教習も泣いて途中でやめて、更には気を遣ってもらって情けないなぁ…
と落ち込み己の社会不適合っぷりを痛感しまた涙が溢れ、時々すれ違う人にチラ見されながら家まで帰ったのだった。
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