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長恨歌(806年)

🖌白居易

📎唐の開元二十八年(740)、玄宗皇帝は絶世の美女といわれる楊貴妃に一目惚れをし、宮中にお召しに出します。玄宗は彼女の魅力に溺れて、昼夜いたく寵愛して国政を顧みなくなりました。

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春寒うして浴を賜う崋清の池、

温泉水滑らかにして凝脂を洗う。

侍児扶け起こせば嬌として力無し、

始めて是れ新たに恩沢を承くるの時。

雲鬂 花顔 金歩揺、芙蓉の帳

暖かにして春宵を度る。

春宵苦だ短く日高くして起く、

此れ従り君王早朝せず。

📎やがて天宝一四年(755)、安録山の乱が勃発します。反乱軍はたちまち都の長安に攻め上ってきました。玄宗と楊貴妃は、長安を脱出して、西南の地方都市(四川省・成都)を目指しますが、その途中、近衛部隊の兵士たちが行軍をやめて騒ぎ出す事態になりました。彼らは楊貴妃を指弾して、進発しようとしません。事態はもはや収まりがつかなくなってしまいました。かくて楊貴妃は、ついに意を決します。帝の馬前で、命を断ったのでした。

📎玄宗皇帝と楊貴妃のロマンスを哀切に歌い上げた長編詩です。

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