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一世一代のギャンブルに勝った話

2023/2/28~2023/3/2の間にある空白期間の話だと考えて頂ければ幸いです

・返信できる連絡は返信して、パソコンで好きなアーティストのプレイリストを流した。不思議と流れている音楽が音楽として入ってこない。イマイチ現実味がないように感じている。

・多めのお湯を電子ポットで沸かしておいた。マグカップにお湯を注ぎ、心療内科でもらった1週間分の睡眠薬2種&安定剤を飲む。1,2日分は既に使っていたので、推定20~25錠くらいの数だったと思う。自暴自棄になっている訳でも無く、酒に酔っている訳でもない。完全にシラフの状態で粛々と錠剤を飲んでいくため、ただただ怖かった。

・カーテンを完全に閉めて、いつも通り眠れるようにベッドに潜り込んで、音楽は流したままで目を閉じた。この時、スマホの電源は切っておいた。

・目が覚めると室内は暗く、異常と言えば身体が鈍いことくらいだった。ありえない頭痛があるわけでも、吐き気が込み上げてくるわけでもない。眠気にしたがってとりあえずそのまま寝た。

・毎年冬になると苦しまないといけない、誰かの悪意がなくとも悲しい事故に苛まれる。そういった事実に苦しんだ2月が終わりを告げて、春が来ようとしている。陽気に当てられて少しずつ健康が戻ってくる実感は、冬の苦しみを無かったことにされているようで納得がいかなかった。

・問題と向き合おうと思っても上手く対話できなかったり、そもそもコミュニケーション自体が難しかったり。悲しい事故の後処理も釈然としない状態で、上手く乗り越えた気がしない。要するに、溜飲が下せないのだ。自分が負った悲しみや苦しみを供養してあげる必要があった。

・一つ、大きな賭けをすることにした。「錠剤を大量に服用して生き残れば勝ち、死ねば負け」。少年漫画でしか適用されないようなルールを引っさげて、僕は一世一代の賭けをすることにした。1.生き残る、2.後遺症が残る、3.息を引き取る、で考えていたが、どうやら1だったらしい。僕は賭けに勝って生き残った。

・寝直しても眠いものは眠い。眠気が続くまま寝ていたら18時になっていた。18時間眠ったにも関わらずまだ眠いが、気合いで起き上がる。空腹感を癒すためにコンビニでカフェオレを買って家で飲む。空いた胃の中に糖分が染みた。

・その後、まだ腹が減っているのでチャーハンと豚骨ラーメンの豆腐スープを買ってガッツリ食らう。シャバに出てきたような気持ちで食べ進めて完食した。

・22時、起こったことを誰かには話しておきたくて友達に電話をかけた。友達は「ロックすぎるやろ」と笑って聞いてくれた。真剣に怒ったりましてや悲しんだりされるより嬉しかった。僕が僕を大事にするために決めて行動したことだったから、「自分を大事にしろ」なんて的はずれなことを言われたくなかった。有難い友達だ。

・賭けに勝って、これといってだから何をするということはない。切り替えてまた人生を続けていくだけ。イカれてると思われるかもしれないが、僕は世界中の誰よりも僕を大切に、優しく扱ってあげたかっただけだ。


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