見出し画像

水曜、夜のメメント・モリ 第一回目

今週のテーマ:「日記」

東京で過ごす情報だらけの時間を飲み込めるように、忘れてもいいように、「ノラねこの足跡」という名前で日記をつけてきた。
いつの日にか写真に興味が出始めて、今度はInstagramを日記代わりにするようになった。
最近はSpotifyでその日聴いた音楽を、簡単なコメント付きでストーリーに投稿することで、日々の記録としている。

どうやら、自分は日記をつけることが好きらしかった。

昔から、自分を執着心の強い人間だと思う。何に対して?、のクエスチョンに答えることが出来なかったけれど、今はなんとなくわかる。おそらく、記憶とか、記録とか。想い出にこだわっているのだと思う。
ずっと、形があるものよりも目に見えないものの方が好きだったから。

物語は、一つの記録だしあったかもしれない記憶だ。
文章は、記憶や想い出が薄れると寂しいから書いていて。
写真は、自分が綺麗だと感じた景色を記録したいから撮る。
きっと、日記も同じようなものだと思う。
消えてほしくない時間を残しておくための方法だ。

特に、最近は流れていく日々の速さに驚いてばっかりでいる。
ゲストハウスで暮らしていることもあって、出会いは多い。ただ出会った人間と一緒におくる時間は儚い。連絡先を交換することはあっても、その後に連絡を取るかどうかは、お互いの距離感と気分次第だ。

もちろん、こんな一期一会の生活で近しくなれた相手もいる。けれど、友達もまたどこかに向かって別の場所へと離れていく。
別れの瞬間に、「自分はどうしよう」とか、「離れていかないでほしい」とか。友達が新しい何かを見つけてキラキラしてるときに、その眩しさを一緒に喜んであげられない自分でいたくない。
友達とまた会った時に「お互い変わったよねー」って言いつつ、久しぶりのお喋りを楽しみたいから、自分もキラキラを持っていたいのだ。
そのためのクールダウンがこの日記になる、と思う。

新しく始めるこの日記のタイトルは、「水曜、夜のメメントモリ」。
一週間の半分、中だるみになる水曜日にひとつのテーマでエッセイを書く。
今日のことでもいいし、気になってるトピックでもいいし、文体もその日の気分でフリーに。
とにかく楽しんで好きなように書くことが、あるようなないようなルールである。

ちなみに、今日は無糖のミルクティーを錬成しながら、アップルデニッシュを食べた。あまりの優雅さに脳みそがぶっ壊れるかと思ったが、残念ながら生きてた。
お昼は、現在無料で公開されてる分のワンピースをジャンプ+で全部読んで、空島のクライマックスシーンに涙腺が刺激された。
そうこうしているうちに日が暮れて、ドミトリーベッドが一切の無駄がないことに今日も感動を覚えて、こうして文章を書いている。

ドミトリーベッドのシーツは真っ白で好きだし、目につく範囲に余計なものはないし、カーテンに隠された空間が秘密基地みたいで、ひっそりと落ちつく。
ベッドの柵に枕を敷いて、その上から後頭部をもたれさせて、ノートパソコンをカタカタと。
パソコン画面のすみっこに表示されている今日の日付を、ぼーっと空見してなんとなく今日はこれで休むことに決めた。

もしサポート投げてくれたらなんかいい感じのことに使います。