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今は亡き同期への畏敬の念と哀悼の意

2014年6月。高校の演劇部で同期だった友人が亡くなった。あれからすでに8年が経ち、日々の仕事や生活に追われてすっかり思い出すことはなくなっていたのだけど、ふと思い出したのでここに書き残しておくことにした。

彼は演劇部での3年間、ずっと照明を担当していた。いろいろな場所で公演しながら舞台照明触れているうちに、これを仕事にしようといつの日か考えていたのだろう。高校を卒業後すぐに舞台照明会社へ就職し、数々のホールで照明担当として勤務した。

私もずっと照明だったのだけど、いつも落ち着きがなくて失敗ばかりしているのに対し、彼はいつでも冷静沈着だった。彼の作る明かりやオペレートなどを見て、敵わないと感じていた。社会人になってから、彼の照明を見ることはなかったのだけど、もし見ていたらやっぱり敵わないなと感じたかもしれない。

彼が亡くなって半年経った頃、同期で集まったときに一人の友人が彼から送られてきた数々の年賀状や暑中見舞い、誕生日祝いのはがきを見せてくれた。そこには、季節的なもの、見た映画、感じたことなどが緻密なイラストによって描かれていた。

はがきに込められた彼の想い、そしてやはり彼の才能には敵わないという畏敬の念や様々な感情がこみ上げてきて、涙が止まらなかった。演劇部で一緒に過ごしたみんなにとっても、彼は大きな存在だったと思う。

けっこう気ままでマイペースな人だったので、未だにまだどこかにいるんじゃないかという気持ちになる。きっと、遠い遠い星の下でまた照明の仕事をしているのかもしれない。

もし、どこか遠いところにいるのなら、もう一度彼の作る照明が見たいと今でも思う。そして、彼の描くイラストが見たい。

おーちゃん


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