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房州びわに出会ってからびわに対するイメージが変わった / 偏愛モノ Vol.07

房州びわは長崎県の茂木びわと並ぶ日本2大産地の1つである。

茂木びわと比べるとずっしりと重い大果系で、均整の取れた美しい卵型をしている。果皮は黄橙色の光沢を放っている。一口かじると、甘みと酸味が絶妙に調和した果汁が口の中に溢れ出てくる。みずみずしく上品な甘みは喉の乾きを潤すばかりでなく、身体中に染み渡っていく。

栽培の歴史は古く、宝暦元(1751)年に始められたといわれており、明治時代からは皇室にも献上されている。

房州びわは4月〜5月に出荷されるハウスびわと5月〜6月に出荷される露地びわがある。主な代表品種はハウスびわが富房、瑞穂で、露地びわが大房、田中である。それぞれ品種によって味が異なり、その違いを愉しむのもまた房州びわの味わい方の一つである。

房州びわを存分に味わうには、パックで売られているものを買って家で食べるだけでは非常にもったいない。おすすめはなんと言っても現地で栽培されている完熟びわをお腹いっぱいに味わうことができる、「食べ放題」と「びわ狩り」である。

「食べ放題」はびわ農家の軒先で、箱に入れられた30個近くの房州びわを時間制限の20〜30分内に食べる。残ったびわはお持ち帰りできるので、食べきれなくても心配ない。「びわ狩り」は、栽培されているびわの木から直接びわの実をもぎ取って、制限時間内の20〜30分内に食べる。どちらも制限時間内に20個は食べられる。この時期でしか味わうことの味覚を、これでもかというくらいお腹に詰め込んでいる。

ここ数年は台風やコロナの影響で、びわ農家は相当の被害を被っている。少しでも手助けになればと思い、ふるさと納税は南房総市に支払った。返礼品はもちろん房州びわである。遠く昔から栽培されてきた房州びわをどうか未来まで守り続けていってほしいと思っている。



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