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タナカー的田中圭くん「役柄」レビュー~僕の歩く道(2006年10月期連ドラ)


草なぎ剛さん演じる自閉症の青年・大竹輝明(=テル)が、生きがいと思える仕事に出会い、自立していくまでを描いた作品。
こちらで田中圭くんが演じる三浦くんは、動物園の飼育係で、主人公テルの先輩(教育係)です。

このドラマ、正直軽い気持ちで観始めたんですけど、三浦くんが想像以上に重要な人物だったのでびっくり。もっと早く見れば良かった!
動物園シーンではほぼ全般登場してくるし、なんといっても圭くんの素直な感じが伝わってくるお芝居がすごく良いと思っています。

ただこの作品、資料があまりネット上にないので、貼れるリンクがあまりないんですよね…。
ということで、今回は(今回も?)ひたすら言葉で語ります。
語らせていただきます!

まず第一に注目したいのは、この三浦くんという人は不思議なくらい、現在の圭くんとのタイムラグを感じさせない人だということ。
これを書いてる2020年時点ではもう15年近く前のはずなのに、なぜか全然距離を感じないんですよねぇ。
もちろんルックスは若いんだけど(作業服を着てキャップを反対にかぶってる姿は、もうただただ可愛いでしかない😊)、演技やたたずまいは驚くほど今と変わっていなくて、ああ、田中圭という俳優さんはこんな若い頃からお芝居の芯がぶれてないんだなぁって感じられるのがひとえに嬉しい😭


第二の注目ポイント。三浦くんは、主人公が持つ自閉症という障害に対して偏見がないフラットな人物なので、観ていてとても好感が持てるということ。
もちろん自閉症の人と接した経験や知識がないゆえに、驚いたり、テルに苛立ったりすることはあるけど、それでも決して悪意を持って接したり距離を置いたりせず、テルが動物園の飼育係として職場になじんで仕事をしていけるよう、日々寄り添う姿がなんだかとても微笑ましい。
しかもそれが押しつけがましくもなく、すごく自然。
そう、田中圭という俳優さんを語るうえで欠かせない「自然体」というキーワードそのものの役のひとつが、三浦くんだと思います。


ちょっと本筋からは脱線しますが、個人的にバックボーンがほぼ語られてない「普通の人」というのは、演じてる本人の人柄がその役に反映されてる部分が多いのではないかと思うんですよね…。明確にわかりやすい定義がない以上、演じてる人自身の裁量に任せられる部分が多そうだし。
なので、三浦くんのニュートラルなところは、おそらく田中圭という俳優さん自身が持っているものじゃないかなと。

そしてテルに対するまっすぐな態度も、後輩若手俳優さんに対する田中圭という俳優さんの姿と重なって、なんだかすごく胸が熱くなります。

そうそう、バイプレイヤーをずっとやっている方たちって、短いシーンだけでも登場人物の人生を感じさせてくれるお芝居をしてくれると思いませんか?
圭くんも、動物園だけのシーンにしか登場してない三浦広之という人の、見えない人生を感じさせてくれてる気がして。
彼はきっと、暖かい家庭で、優しく素直に育てられてきたんだろうなぁ。
そしてこのドラマが終わっても、この世界の中で素直に柔軟に知識を吸収し続けて、きっと今頃は飼育係の主任として動物たちや後輩を優しく見守り、テルを暖かく支え続けているんだろうな…
なあんてドラマさえ感じさせてくれる。
そのドラマこそが、その人物の実在感を支えてくれてるんだろうなぁと思います。

だからタナカーとしては、これからも主演はもちろん、助演もどんどんやってほしいかな。
あまり特徴がない「普通の人」「普通の青年」に息を吹き込み、生きてる人物としてこの世に送り出せる田中圭という俳優さんは、やっぱりとてもすごい人だと思うので。


ということで閑話休題。
ドラマに話を戻しまして。

11話全部見るのは時間的に厳しい、というタナカーさんに、ピンポイントにおすすめするとしたら、まず第2話かな。

このあらすじだけ読むと、三浦くんなんだかちょっとイジワルな人って感じがしますよね~?
ところが実際にドラマを見ると、確かに書いてある通りに演じているんだけど、なぜだかそんなに嫌な印象を受けないのが素晴らしい。
きっと、田中圭という俳優さん自身の持ち味と、演出の方の三浦くんに対する暖かい目線のおかげなんじゃないかなぁって勝手に思ったりしてます。


あとは第8話。

動物園メインの話なので、三浦くんの登場シーンもすごく多いし、調子のよくないクッピーを心配する三浦くんの動物に対する愛情とか、対面ばかり気にする園長に対する三浦くんのいらだちみたいなものも表現されていて、彼の人間性が伝わってくる感じがするので、とても好きな回です。(クッピーもホントに可愛いし!)

でも基本的にこのドラマ、最初から全部観ても後悔はしないです。タナカーとしても、ドラマ好きとしても。
私は、もうほぼ一気見しましたからね…。

最初はちょっとびっくりしたテルの言動も、見れば見るほど可愛く思えてきたり。そう思わせる草なぎくんの演技力はやぱりすごいのだろうなぁと思います。

三浦くんもふくめて、登場人物たちみんなが成長していくことができるこの作品を見ていると、世の中捨てたもんじゃないな…って思えて、なんだかちょっと元気がでてきます。

この作品、配信はあまりされていないようなので、観るためにはレンタルショップに行く必要があるかもしれませんが、その手間をかけてでも見る価値は絶対にあると個人的には思います。
ぜひ、田中圭という俳優さんの尋常じゃない「普通力」を目の当たりにしてみてください。

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