無意味の中にある意味①

 養老孟司氏の著書である「バカの壁」を読み2年前に衝撃を受けた。この著書が出版された時には、すでに知ってはいたしベストセラーにもなった著書だったのに読もうと思わなかった。というか養老孟司氏というなんだか偉い解剖学の先生だということを知ったのは2年前といってもいいと思う(苦笑)。というか名前は知っていた。なんとなくお顔も見たことある人だなーくらいにはインプットされていた。とはいっても、私にとって、山田洋二監督と故人になるが三國連太郎氏は私の中で同じ顔の分類になってしまうからか、見たことはないけれどもなんかみたことある人になってしまうのかもしれないのだけれども…。そんなことはどーでもよかった。。。

 初版の時にその著書の存在に気がついていたのに読んでなかった私。その時は出産間もなくだったので、本を読むといった気力もなければ、自分の人生について、ぼんやりとした迷いのようなものしかなかったし、それらを深く突き詰めて考えていたワケでもなく、それなりの幸せを噛みしめていられたから必要なかっただけのように思う。そう。そうだ。その当時の私には必要がなかった。ただそれだけだったんだ。それが約16年くらい前になるのだけれども、その当時の自分からしたら想像もつかないくらい私の価値観は激変することになったのだから、人の運命なんて本当どうなるかわからないものだよなぁとシミジミそう思う。

 私の価値観が激変していくことになったきっかけは、やっぱり自身が発達障害だったことがわかったことが〝はじまり〟になるのだと思う。それなりの幸せの中で、ふとした時に訪れる不安の波を日々の生活の忙しさで打消していたことで、元々私の心に空いていた穴が大きくなってしまったようなものだった。だから、おそらく、その当時に「バカの壁」を読んでも私には著者が何をいわんとしているのかわからなかっただろうと思う。それくらい、その当時の私は思考停止状態な人間だったからだ。

『無意味の中にある意味②』へ続く



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