ながしよみ⑥

宿る

各々の呼吸音がもし耳によく届いたなら
縮み上がってひとたまりもないこの身体

空き家の蜘蛛の巣は
木漏れ日と羽虫を捕らえるだけで
かすりもせずに遠のいていく

生き物も無機物もたたえた土の匂いに
命が宿った気がしていても
質量の軽さに小枝すら軋まない

宙ぶらりん

月明かりの灯る前
トカゲの夢 シダの葉にて待つ

今日はミョウガを漬けました。
             (執筆者:すいか)