虚夢十行 〜傘の夢〜
蒸し暑い曇り空から三角が降ってきた。親指の爪サイズのそれは様々な淡い色で丸い角が頭や肩を優しく叩いてくる。物や人に当たるとそれらは色のみ残して消えるため前を歩くサラリーマンのビニール傘は薄いオーロラに彩られていた。染める事を止められた自分の髪も同じように、という小さな期待をたたえ、前髪に目をやる。あ、と声を漏らす間もなく、透明な鋭角が胸を貫いた。針葉の霜に似た優しさと粉砂糖の切なさが熱となり、内側を溶かしていった。
今日の当番、すいかです。先週自分の書いた分の告知を忘れていました。焼きなすはヘタまで食べます。このあとも一つあげます。すぺしゃる。
(執筆者:すいか)