虚夢十行 〜テディベアの夢〜

 柔らかな衝撃が顔を打った。思わずつぶった目を開く。手足のくたびれた小さなテディベアが顔面を包み込んでいた。気づけば足元にも大小色も様々なテディベアが辺り一面にいるではないか。愛らしさを感じる風景に無邪気なおかしさが湧き立つ。リボンのついたもの。つぶらな目のもの。ビロード生地のもの。片目の取れたもの。耳のちぎれかけたもの。ふと一体のテディベアと目が合う。それはかつて収集車に吸い込まれた友達。ここは子どもの墓場だった。


 こんばんは。ちなみにうちの家のテディベアがいます。名前はさねときです。

              (執筆者:すいか)